黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

扁平上皮癌になった息子クロスケ

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑰

悲しみをせき止めない 2020年2月4日未明、息子は息をするのを止めた。翌日に火葬を予約してしまったから、その日は形ある息子との最後の1日になった。 明日には、全身愛らしさの塊である息子の姿形が失われてしまうと思うと、現実感が全くなかった。本当は…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑯

冷たくなっていた、息子の額 ちょっと息子愛を爆発させてみる。つやつやと豊かな毛をまとった黒猫の息子クロスケは、プライド高く一筋縄ではいかぬ性格で、動物病院では「暴れん坊将軍」扱いだった。 だけれど、私に言わせれば反抗心旺盛でありながらも繊細…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑮

愛する猫型息子、最期が近づく 猫は、その死の際に人の目から身を隠すと言う。一方で、具合が悪くなって物陰で体を休めているうちに、その生を全うすることになり、結果的にそうなる、とも言う。 本当はどうなのだろう。誰にも邪魔されず、静かに逝きたい気…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑭

久しぶりに夢で再会 ゆっくり寝たのが久しぶりだったのだが、長時間寝てしまうと、私は大抵明け方に夢を見る。あまりいい内容でもない夢が多く、しかもグロテスクにクリアだったりすることもあって、どちらかというと夢を見たくない方だ。 だが、息子クロス…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑬

風の通り道 毎年夏になると、エアコンの掃除を依頼する。家をリノベーションした時の業者さんに色々な付帯サービスがある関係で、そのまま頼んでいる。その掃除に、先週晴れた日に来てもらった。 エアコンの掃除だから、エアコンは止める。普通なら暑い。夏…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑫

焼酎に化けた息子 先日、育ちすぎてしまったベランダのユーカリを使い、お風呂に入れるチンキを作ろうと、焼酎に漬け込むことにした。ウォッカが良かったらしいのだが、焼酎でもいいらしいとYouTubeで知り、大き目の焼酎ボトルを買ってきた。その量4リット…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑪

息子が落としたガーベラの花 オリンピックの東京2020大会が始まった。今年はもちろん2021年、周知のとおり、コロナ禍がなければ、本来ならこの大会は昨2020年に行われていたはずだった。 息子と一緒に大会観戦をしようと、その前年に買い替えたテレビ。テレ…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑩

2人の獣医さんに見守られ、持ち直した12月 2019年11月30日から、鎮痛剤のメタカムに代わってステロイドを与えることになった。高齢猫である息子の腎臓が持つかどうか、心配だったからだったと思う。その変更は、手術を受けた動物クリニックのS先生も、ホメ…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑨

息子のジューサー この6月で、息子クロスケは20歳になるはずだった。猫の20歳。超えたら化け猫「猫又」になるんだったっけ?尻尾が2つに裂けて(痛そう!)、話ができるようになるんだったか。猫又になった息子とは、是非とも喋りたかったな・・・「子離れ…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑧

ターニングポイント、ホメオパシー獣医へ 前回⑦の、ウイルスによる癌治療の話が有望だと新聞でも取り上げられていた件がぐっさり胸に刺さってしまった上に、先週の月命日もあって、次がなかなか書けなかった。 あのとき、せっかくS先生が提案してくださった…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑦

センダイウイルスでの癌治療 つい先日、朝日新聞の朝刊一面の記事にくぎ付けになった。「がん細胞をウイルス攻撃 治療薬承認へ 1年後生存率6倍」という見出しの記事だ。 ウイルスを使ってがん細胞を破壊する治療薬が、承認される見通しになった。厚生労働…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑥

息子が急にけいれん、家族はパニック 2019年10月20日の夜、1週間後に市の音楽祭の舞台を控えていたので、家族に息子クロスケを任せて私はコーラスの練習に外出していた。 その日、主に練習していたのは日本の作曲家の手によるレクイエム(鎮魂歌)。「息子…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした⑤

佐川急便のおじさんに、ニャー! 今日はスーパーの買い物や、ネットショップで買った荷物が届いた。 コロナ禍で、当たり前のようにお願いするようになった、ドア前の置き配。その荷物を自宅内に運びながら、以前はいつもドアから息子が出て行かないよう&荷…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした④

残る牙が上顎に刺さり、さらなる手術 今、私は術後の亡き息子クロスケのために作った窓際の特別スペースに座椅子とコタツ(さすがに布団抜き)を置き、書斎のようにして、そこでこの文章を書いている。 元々、窓際の角には息子のケージが置いてあった。その…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした③

ペット用防水シートが必需品になった 本日15日が本年2021年の確定申告の締め切り日。私も毎年のことながらヒーヒー言いながら苦手な数字と格闘し、先ほど無事にポストに投函した。 この確定申告の書類などを用意する過程で、どうしても昨年の手帳はじっくり…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした②

息子を清潔に保つには 息子のために買っていた猫ごはんはもちろんのこと、消毒液やらペットシーツ等々の広告。それが、パソコンを開くと画面に表示されますよね… 息子が生存中は、そういった広告から必要な品を見つけたこともあったし便利だと思ったこともあ…

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした①

下痢の天敵は、抗生剤アモキクリア 半年ぐらい前に「1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった」を9回にわたって書いた。その続編として、愛息クロスケが天国に帰っていくまでを書いてみようと思います・・・書ける範囲で。 昨日(4月4日)は月命日だっ…

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった⑨

下痢の原因 手術をしたからといって、その瞬間からきれいさっぱり問題が無くなるわけではない。特に、うちの猫息子の場合、癌がすべて取りきれたわけではなかった。QOLを優先させて、後はどこまで再発させずに行けるかどうか。体力を養い、なんとか1日でも…

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった⑧

蝶よ花よクロスケよ 7月31日に手術をしてもらい、1週間後の8月7日に何とか退院を迎えた訳だが、親バカとしては当然ながら入院中は毎日、息子クロスケの顔を見に行った。煮だした紅豆杉茶も届けねばならない。 術後初日、8月1日の息子は、朝方はぐった…

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった⑦

紅豆杉というもの 手術をしても、リンパ節も切除せず、dirtyと疑いのある細胞も残ってしまっているということは、つまりは再発は必至だと言われたも同然だった。 むしろ、手術やそれ以前のバイオプシーによって、体力をかなり消耗している高齢猫。ここに至っ…

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった⑥

7月末日、手術 いよいよ7月31日、術前の血液検査で手術できる数値をクリアできたことで、息子は専門医の手によって下顎の右側を切除する手術ができることになった。 当初、できるだけ手術はしたくなかったはずだったが、皮肉なものだ。今この時、手術をしな…

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった⑤

手術に向け、とうとう入院 昨年の7月25日、息子クロスケは月末の手術実施に向けて貧血改善を目指し、かかりつけ獣医に入院した。さっそく翌26日には食道カテーテルが首の横に設置され、そこから栄養補給が可能になった。 息子は黄色い服を着せられて、その…

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった④

自宅で療養したものの 昨年の7月23日は、習い始めたボイストレーニングの先生が主宰する会で公演が予定されていた。初心者の私も、当初は「出ましょう!」と誘われていたがそれは無理な話。「せめて応援に観に行きます」と言っていたが、愛する息子クロスケ…

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった③

下顎が変形、骨折していた 専門医で息子が「衝撃のバイオプシー」を受けた翌7月21日は、日曜日だった。家族はボランティアの約束があって後ろ髪をひかれながら出かけ、私がタクシーを呼び、ぐったりするクロスケをかかりつけ獣医に午後1時に連れて行った。 …

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった②

専門医にて、運命のバイオプシー もしかしたらいきなり顎切除の大手術になるかもしれないと、緊張して迎えた7月20日。午後1時半にかかりつけ医で抗生剤の皮下点滴をして2時に出発、4時から専門医で診察を受ける段取りだった。 クロスケは、早朝4時35分に…

1年前の7月、愛猫に扁平上皮癌が見つかった①

口中にあった異様な「赤」 息子・クロスケの異変に気付いたのは、窓際のソファに座っていた時だった。7月14日だった。私の膝に座りたくて、いつものようにお尻を振ってぴょーんと飛び乗ってきた可愛い息子とじゃれていたら、チラッと口の中に異様な「赤み」…