黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

「被害者ノート」の紹介記事が載りました

なかなかブログに書く時間が取れなかったが、これだけは書いておかないと。今朝の読売新聞朝刊に、「被害者ノート」の記事が載った。(写真に写っているのは被害者の方たち。私は写ってません~)

取材を受けたのは、5月末。当初は社会面での掲載という話だったが、ワールドカップという最強コンテンツの前に紙面の確保ができない6月があえなく過ぎていき、とうとう生活面へと場所を変えて掲載していただくに至った。苦節約2か月。没にせず、あきらめずに載せてくれてありがたいことこの上ない。読売生活部のY記者アリガトー。デスクもアリガトー。

記事からはちょっと伝わらないかもしれないが、私たちの「途切れない支援を被害者と考える会」には様々な支援者も参加していて、ノートには被害者と支援者の経験がともに生かされている。そして、この被害者ノートが「犯罪被害者が支援者につながるためのツール」になればいいと思っている。

なぜかと言えば、被害者が事前に準備するなどは不可能と言っていいけれど、支援者はそれができるものだから。支援者につながることこそが、被害者のつらさを減らすことにつながり、スムーズに生活に戻っていくことにつながると信じるからだ。

考えてみると、犯罪の被害に遭うなんて、人生最大のピンチ以外の何物でもない。ダメージは多方面に及び、精神的にも身体的にも参ってしまうのにやらなければならないことが押し寄せる。生活も回らなくなる。あまりの重大事に、仲の良い友人だったはずの人たちが軒並み後ずさりしていってしまうようなことも、残念ながら起こる。「そっとしておこう」じゃなく、そんな時こそ寄り添ってくれたら・・・と思うけれど、それが現実でもある。

そうすると、被害者は、ひとりぼっちで戦わなければならないかのように感じるようなのだが、「いやいやそうじゃない、支える支援者がしっかりいます!」とお知らせし、どうやったら支援者につながることができるか・・・というところからこのノートではお伝えしている。

そして、支援者といっしょに現在、何に困っているか/困っていないかリストに従ってチェックし、本人が必要なところからノートを見て、書き込んでいく。そして、書き込んでいくと、それが本人にとって有用な記録になっていくようにこのノートはできている。

捜査側の事情聴取だけでなく、市役所などの手続きでも被害者は繰り返し同じことの説明を求められるが、あまりに繰り返させられるため、知っていることまで何が何だか分からなくなったり、事件後の混乱で簡単なことまでおぼえていられないこともある。それを書きとめておけば無用なトラブルを避けられることにもなる。記録は、後々の裁判などでも生かせるだろう。

「加害者になるのは自分で選べるが、被害者になるのは選べない」と言われる。事件に巻き込まれて「急に被害者にさせられた」だけでもショックなのに、その後、自分に何が待ち構えているのか分からない不安。それが、このノートによって拭い去れるのではないかと期待している。

残念ながら、初版の残部が少なく、すぐには希望する方たちの手には渡らないかもしれないが、被害者には優先的に渡すことになっている(無償)。次を刷るための印刷費としての寄付金や、助成金を募集している。

問い合わせは、メール(nakanobenkyokai@yahoo.co.jp)で。できるだけ多くの方たちのご理解とご助力をお願いしたい。

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