黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

父の命日

 亡くなったのが2016年だから、もう3年。父の命日なんだけれども、まだ闘病中の飼い猫から目が離せない状態なのにお留守番させるわけにもいかず、墓参りには行けなかった。姉は、しっかり仕事を休んで行くんだと聞いた。家族が休めて猫を頼める日に、墓参りはのんびり行くからね、お父さん。

 今年は、報告したいこともあったんだけどなあ。既に確定していた刑事に続き、民事手続きの方もようやく先日決着を見たばかり。加害者側(というか保険会社だよね、主には)と和解が成立した。

 最低の等級とはいえ、亡父が事故によって高次脳機能障害を負わされたと認定されたことでこちらも矛を収めることにした。納得したとは言いたくないけどなー。でも、ここから裁判までして争うか?と考えたときに、争う材料が無さそう。「お父さんは単にボケたんじゃない、事故のせいだって認められたよ」とちゃんと言える状態にはなったので、父には許してもらおう。

 しかし、なんで事故から3年以上もかかってしまったかと考えると、そもそもは主治医が父の状態を正確に報告してくれなかったからだと私は考えている。点滴を勝手に抜いて血だらけになったり、おかしなことを言いだしたり、頭に外傷を受けた事故直後から父には不穏な行動が見られ、その後、高次脳機能障害が十分疑われると分かっていたはずなのに、主治医はしらばっくれた。

 「おかしいなー、誰かほかの患者と間違えているのかな」と主治医が書いた書類などを見て、こちらは当初は思ったが、そのうち「なぜ?なんで嘘をつくの?」と疑念で一杯になった。

 刑事裁判ではそれが響いた(検察官にも「医者がそう言ってるんだから仕方ないじゃないですかー!」と電話で怒鳴られた)まま、一審判決が確定。結局、民事では異議申し立てをする羽目になり、自賠責高次脳機能障害専門部会がその気になってカルテを調べてくれたから主治医の主張は幸いにもひっくり返ったけれども、こちらは余計な手間と弁護士費用が掛かってしまった。

 お医者さんね、専門家なんだからさ、調べればわかるようなウソはつかないでよ。それから、検察官もね、専門家が言ってるからって、遺族がここまでおかしいって言い張ってるんだから、「何かおかしいなら確認しよう」と考えてほしい。カルテぐらいチラッと確認したっていいじゃない?調べればわかるウソなのに、そもそも調べないんだもの。すっかり騙されちゃってるじゃないの。

 検察官にとっては、日常よくある事故のひとつなんでしょうよ。でも、こちらにとっては大切な家族の一大事なんですよ。検察は、遺族とともに泣くんだったよね?

 頭に血が上っていた当時は、裁判の重要証拠なのに明らかに虚偽記載をしてきた医師を告訴しようかと検察官に連絡を取ろうと思っていたし、上申書も半分まで書いた。不法行為があるなら民事で損害賠償請求もできるとも考えた。

 けれど、一遺族が許せないと思ったとしても、多少難があったとしても、刑事処分を経て地方の総合病院から脳外科医をひとり辞めさせるメリットは社会的に大きく考えたら「ない」だろうなと考え直した。それから、もしも損害賠償請求が認められたとしたら、市民病院だから市民の税金から支払われる訳で、それも全然うれしくないよなーと思った。

 ということで、今のところ医師を「野放し」にすることを選んで、検察官には連絡していない。

 主治医については、事故直後、一生懸命父の治療をしてくれたことには感謝しかない。だから、あの状況下で多少のミスは仕方ないとこちらは思っている。けれども、主治医は、亡父に施した治療(投薬)が禁忌に触れると思って青くなったのか何なのか、そのまま表に出るとマズいと思って一生懸命隠していたとしか思えない。

 隠されたせいで遺族は振り回されて苦しんだ。それがどれだけ大きな影響があることか。検察官が遺族を罵倒してまで肩を持とうとした専門家なんだもの、プライドに懸けて、今後はもう二度とそんなことはしないでほしいものだ。