黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

2度目の命日がやってくる

バナナツリー事件

 つい最近の話。買ってきたバナナやミカンを、いつもの高い棚の上にあるバナナツリーとミカン籠に掛けたり入れたりしようとして、(何でこんなことをまだしているんだろう)と気づいた。

 習慣とは恐ろしいもの。猫の息子がいたずらをしてしまうので、フルーツ類は書斎の事務棚の一番上が定位置になっていたのだ。

 多くの猫が嫌って逃げると聞くミカンなのに、息子はマタタビや山椒のように大好き。ミカンをコタツの上にでも置いておくと、さあ大変だ。ミカン籠に頭をこすりつけて籠を落とし、まさにラリっているような状態でよだれを垂らし、コタツ板の上でお腹を出して伸びていた。

 バナナではラリってしまうことはないのだけれど、息子はバナナツリーにぶら下がっているバナナをおもちゃにして落としてしまう。だから、フルーツ用の籠とバナナツリーは息子が手を出せない場所に置いておいたのだった。

 それを、息子が死んでからもそのままにしていた事実にようやく思い至ったのだ。

 心底驚いた。だって2月4日の立春の日が息子の2度目の命日なのだから、丸々2年になるのだ。それでも、まだ息子のいたずら除けのためにやっていた行動が改まっていなかった。

 息子が通り抜けられるようにあちこちのドアを12~13㎝ほど開けておく癖も、(そうだそうだ)と思って閉めるように努めた時には寂しかった。最近、換気のためにもう少し細めの5㎝ぐらい開けておくようになった時も、(これじゃあ息子の頭が閊えちゃう)と考えてしまってから(いやいやいやいや、猫の為に開けるんじゃない)と脳内で突っ込んで、少々寂しくなっていた。

 今回のバナナツリー事件は、思いもよらないフェイントだったので、ズキンときた。やっぱり寂しい。

2夜連続で亡き息子の夢

 命日が近いことを意識しているからか、息子の夢も見る。夢を見ても、起きると忘れてしまうことが多い。起きて家族に伝えていた部分だけはかろうじて覚えているくらいで、とてももったいない。

 今朝見た夢もそんな感じだ。昨日となると尚更。でも、2夜連続で夢に息子が出てきたことだけはおぼえている。

 初日は、多分にニュースの影響を受けている夢だった。夫がロシアかウクライナか東欧のどこかの学校で教員をしている設定らしいが、夜間(といってもとても明るかったので、白夜?)に寄宿舎を抜け出して、帰国しようとするのを迎えに行く設定だった。

 夫の両親(いくぶん若い頃)も登場、車(なぜかオープンカー)に荷物をどしどし載せて、さあ出ようというところで夢見ながら大きな違和感を抱いた。両親が運転席と助手席を占めていたので、スペース的には後部座席に荷物を載せたらもう一杯。私と夫はどこに乗ったのだろう。

 亡き息子クロスケはどこで出てきたかというと、夫が現地で飼っていた。私が小型の毛布と一緒にソフトケージに入れて運び出そうとしたのだけれど、(飛行機に乗せるのだから、しっかりしたキャリーに入ってもらわないと)と思い直し、時間が迫る中、シャトル型の緑の小さいキャリーに息子を入れ直した。

 でも、それではサイズ的にキチキチになってしまうので、小さい毛布といえど入れられない。(困ったな、飛行機の中は寒いよね)と悩んでどうしたんだったろう・・・ぐるぐるキャリーごと毛布でくるんで出発したのかもしれない。

 貨物室に入れられたら、息子は寒いし、窒息したりしやしないか。ひとりで怖くて死んじゃうかもしれない。そんな心配がむくむくともたげて、懇願して自席の隣に席を取って載せてもらった。そんなことが現在は飛行機で可能なのかどうかわからないが、そんな夢だった。

 (数日前にリリースされていた新サービスの案内があった。スターフライヤーでは機内で同伴できるようになるらしい。 https://www.starflyer.jp/news/2021/news_202201261.pdf )

 とにかく息子はマックス体重の頃の姿で、毛艶も良く黒々としていた。「元気そうだったよ」と言ったら、夢の話を聞いた家族はホッとしていた。夢なんだけど。

息子は生まれ変わったのか?

 今朝見た夢は、最初の方がぼんやりしているのだが、確かに息子は、登場した時はいつもの黒い姿だったように思う。明るい場所で、家族と一緒に息子はくつろいで、私も息子を撫でたり抱き上げたりしていたように思う。

 それが、場面がなぜか柔らかな日差しの刺す部屋に転換。夢らしい脈絡の無さだ。そこは、少し違うけれど昭和な感じが実家の自室に似ていた。

 ドアを開けて部屋の中を覗き込むと、南西側のカーテンのかかった窓際に水色のケージが置いてあり、息子は上段の南寄りに丸まって寝ていた。

 その姿は、子猫。黒猫ではなくて、ミルクティーのようなベージュがちな毛色の猫だった。おしりと尻尾の方に少しトラ柄も見えたかもしれない。顔は見えない。

 子猫は、段ボールの敷いてある上に白いバスタオルを布団にして寝ていたが、こちらから見ると左端に寄って寝ているので、段ボール箱の右側は軽く浮き上がっていた。それが、寝息で微妙に上下する。

 部屋には入らなかった。子猫が寝るのを邪魔したくなかったから。その後の夢はおぼえていない。

 なぜなんだろう。黒猫ではない片手に乗るようなサイズの子猫なのに、なぜ息子だと思ったのか・・・すごく不思議だ。

 息子ではなかったのかもしれない。でも、もしかしたら2度目の命日を控え、毛皮を着替えて生まれ変わったのか・・・そんな気もする夢だった。