黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

「鎌倉殿の13人」YouTube解説も盛り上げ中

空気一変、佳境が続く「鎌倉殿」

 今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を毎週欠かさず見ている。「今日からみんな武衛だ」で視聴者に愛された、佐藤浩市演じる上総介広常の誅殺は、見ているこちらは死ぬことはわかっていても、居並ぶ御家人の皆さんと同様、とてもショックだった。少年の純粋さのまま振る舞えていたような主人公・北条義時も、闇に一歩、足を踏み入れた苦い第15回だった。

 そして前回の16回は、義経伝説が始まり、義経が天才武将として覚醒した。これによって(推しの)青木崇高演じる木曾義仲は退場、巴御前との美しい別れも描かれた(巴は和田義盛の妻となって将来の和田氏の滅亡に接するのか。悲しい)。次の17回は息子の美少年・義高が殺されて大姫が心を病む悲劇が待ち受けている。

 そういえば義仲の死の場面は、額に矢が刺さる寸前で場面が切り替わった。「ゴールデンタイムの全国放送の限界なんでしょうね」とのネットのご意見はごもっともだ。古くは「風と雲と虹と」の主人公・加藤剛演じる平将門はばっちり頭部が射られている場面が大写しになっていたけれど、時代は変わった。

 これまでも、いたいけな千鶴丸と北条義時の兄・宗時がアサシン善児に暗殺されたり、大庭景親の斬られた首が木からぶら下がったり、伊東祐親もだまし討ちにされたり、人の死はたくさん描かれてきたし、ドラマ性がありながらももったいないことにナレーションで済んでしまってドラマでは描き切れない死もあった。

 しかし、若い義時の甘い心境を反映してか、ドラマ的にはどこか和やかな空気が流れていた。何しろ今作の父・北条時政は、今まで見たことが無いくらいチャーミングだし。演じる坂東弥十郎さんって、歌舞伎の知識が無くて知らなかった。大発見だ。すごい役者さん。

 そんな空気が、上総介の事件で一変。「お前たちの生殺与奪の権は俺が握っているんだ」と宣言するかのような、あの大泉洋(!)の目が血走った鬼気迫る頼朝、ガチ泣きしている小栗旬の義時。担いだ神輿のはずだった頼朝を、義高に挿げ替える余地など既に無いことを思い知らされ、ただひれ伏すばかりの坂東武者側。情けなく殺され、転がっている上総介(死体にしか見えない)。その場にいる役者さんたちのすごい熱量で、目が離せなかった。

 そして手を下したのは梶原景時。殺戮を演じる中でも、中村獅童が膝をつくまでの立ち居振る舞いの美しかったこと。さすが歌舞伎役者だ。

 大昔に熱中して見た「草燃える」も面白かったけど、子どもだったからか理解が追い付かないところも、ただのヒステリーに見えた北条政子に賛成できない部分もあった。しかし今回の「鎌倉殿」は・・・三谷幸喜は話運びがうまいなあ、違和感が無い。「そうだったのかも」と納得するし面白い。

 最終回に向けてのクライマックスは承久の乱になるのだろうけれど、義時死後の泰時から時頼ぐらいまでの話も(「北条時宗」少し前ぐらいまで)、再来年の大河ドラマで引き続きやってくれないか。三谷さん、書きたくてウズウズしないかな?

 今後も、バンバン主要人物が命を奪われていく展開になるはずだ。佳境が続く。

YouTube動画も花盛り

 「鎌倉殿」は、日曜日に在宅しているときは午後6時のBSでまずチェック、そして8時の総合での本放送でもしっかり見る。外出したときも、帰宅してから録画やNHK+での配信を見ることにしている。土曜日の再放送も、都合が合えば、必ず見る。

 ここ数年は家族も大いに大河ドラマにはハマっており、特に鎌倉殿には私同様に熱が入っているので、翌日の月曜夜には晩御飯を食べながら3回目の鎌倉殿を一緒に見ている。家族は土曜日の再放送は仕事で見られないので、週末にも録画を見る。

 家族はステイホームの仕事中のBGMにも、鎌倉殿のテーマ曲を延々とかけている。気合が入るそうだ。

 小学生時代には既に愛読書が「歴史読本」で、遅くとも「元禄太平記」からは大河ドラマを見てきた私の方が少し知識的には明るかったので、これまで大河に関する歴史については聞かれれば説明したし、「聞いて聞いて」状態で私からノリノリで話すこともあった。

 けれど、最近はスマホでも疑問点は解消できるので、私の出番はそうない。ウィキペディア様様だ。

 それに、YouTubeの「鎌倉殿」解説動画は花盛りと言えるほど数がある。「#鎌倉殿の13人」で絞ると、なんと2110本の動画、455チャンネルが出てくる(2022年4月28日現在)。それで予習復習は完璧。大河好き、鎌倉殿好きの皆さんが配信する解説動画は面白くて、気づくと延々と見てしまって困る。

 この3つあたりを気に入っていたのだが、特に最近、新着動画アップが待ち遠しいチャンネルがある。

 それは、「かしまし歴史チャンネル(旧・トンデモ歴史チャンネル)」だ((2) かしまし歴史チャンネル(※旧:トンデモ歴史チャンネル) - YouTube)。

 まだ登録者数は3万人弱だけれど、これからグングン数を伸ばしそう。画面に出てくるのはおばちゃん(愛を込めて!)3人、そのうちの「きりゅう」こと川合章子さんが喋りまくり、残るふたりが相槌を打ったり質問したりの塩梅がちょうどいい。

 概要欄にはこう書いてあった。

喋ってる人:川合章子(かわいしょうこ)  歴史・翻訳ライター  著書(Amazon一覧)  https://www.amazon.co.jp/s?k=%E5%B7%9D%E5%90%88%E7%AB%A0%E5%AD%90&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&ref=nb_sb_noss_1  

訊いてる人:ラット  グラフィックデザイナー  歴史の知識は中学生並

ツッコんでる人:く~  グラフィックデザイナー  動画編集やってます  歴史の知識は高校生並

 オタクなんだろうな、この川合さん。私も古い歴女だと自認してきたけれど、彼女に比べたら浅薄でまだまだ。川合さんの知識は深くて半端ない!お友達になりたい!

 思い出すところでは、セミの抜け殻に関する考察には舌を巻いた((2) 『鎌倉殿の13人』第14回「都の義仲」深読み①「義経が義高にセミの抜け殻をプレゼントした意味とは?」 - YouTube)。中国古典の知識も深く、ただウィキペディアの内容を動画に焼き直ししただけのような、ありがちな平板な内容じゃないところまで、面白く分かりやすく話していて、ただ者じゃない。

 そして、話す言葉がキレッキレに明瞭。歴史の先生かと思った。テレビで三谷さんと対談してほしい。

 たまに思い違いや言い間違いもあるけれど、突っ込みのように画面上で訂正が入るのも面白い。編集をしているく~さんの腕もあるし、聞き役のラットさんもいるので、見ている側も、川合さんの前のめりで感情丸出しの怒涛の解説の海でアップアップにならない。

 家族ともども、NHKの本放送と同じく次の動画配信を待っている。

www.youtube.com

(ところどころ敬称略)