黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

黒猫を撫でた

久しぶりの手触り

 このブログも「大河ドラマだらだら雑感」で埋まる日が続いているが、それに限った訳でもない。とはいえ、愛する亡き息子クロスケのことは日々考えているし、息子のことを書こうと思う気もありながら、息子との死別から日が経ってくると「いつまでそうしているのか」という気も反対側から顔を覗かせてきて、なかなか素直には書けなかった。

 ただ、一昨日、クロスケからのプレゼントなんじゃないかという出来事があった。これは記録しない手はないだろう。

 昨日は天候が悪化することが分かっていたので、一昨日、暗くなり始めていた時間に近くのスーパーに慌てて買い物に行った。買い物用エコバッグふたつを満帆にして店を出て、100メートルも住宅街を歩いただろうか。家族から「帰る」LINEが入った。

 えっちらおっちらしている最中にやれやれ大変だと立ち止まり、スマホをようやく取り出して操作をし始め、しばらくして気づいた。足元に鈴の音がするのだ。え?と視線を落とすと、そこには真っ黒な影・・・猫がいた。

真っ黒な影は、黒猫でした

 うれしくて一気にテンションが上がり、反射的にスマホで写真を撮り、家族に送った。家族も「黒猫だ💕」と喜んでいる。

 最初は野良猫ちゃんかと思ったが、耳が片方、さくら形にカットされているのが見えて、地域猫なのかと思った。そしたら、きちんと首輪をしていて、鈴は首輪に付いているらしかった。飼い猫だ。

 私を見上げる目を見ると、大きなぱっちりした目が金色に光っている。YouTubeで人気の「タイピー日記」の金姫(通称ヤギ)のよう(私はボスの黒猫リンちゃんが好き)。息子に比べるとちょっと小型だから、女の子なのかな?

 まじまじと見つめて「どこから来たの?もう遅いからお家に帰らないとね」と言ってみたら、金姫の低音ヤギ声とは明らかに違うニャーと可愛い声で鳴きながら、人懐こくどんどんすり寄ってきた。

 一瞬ためらわないでもなかったが「ちょっとだけ、撫でさせてね」と言って、荷物が落ちないように工夫して片手を伸ばし、少しナデナデさせてもらった。

 息子を失って以来、初めて生きてる猫に触る。2020年2月以来。しかも息子と同じ黒猫だ。

 この感じ・・・!息子の毛並みによく似ている手触りだった。今の実家の猫は、同じような短毛種で見た目は変わらないのに洋猫だからか剛毛で、こんなに違いがあるのかと驚いたが、この「金姫もどきちゃん」の手触りは息子そのもの。似てるな・・・と思った時には涙が出ていた。

 ほんの3年弱前には、18年半に渡って飽きもせず毎日撫でていたのだ。回数も数えきれない。それがパタッと撫でることが無くなったとはいえ、神様から預けて頂いた幸せの感触は、忘れられるはずもなかった。

 でも、この黒猫ちゃんのシッポは鍵シッポ。くるんとしていた。うちの息子のシッポは、片手鍋の取っ手のような中途半端な長さが特徴の真っすぐ。そこは違った。

 さてさて、飼い猫だったら部外者があんまり手なづけてしまうのも良くないだろうと、すぐに手を引っ込めて「お家に帰るんだよ」とバイバイして歩き始めた。猫はニャーと鳴いて少し付いてきた。振り返ると、街灯に照らされて立ち止まっている小さい影が見えた。

もたげる心配

 「家には帰らないのかな・・・」と、歩きながら少し心配になってきた。

 もしかして、迷子猫だったのかも?家に帰れないで、だからあそこにいたのだろうか?飼い主は探しているのだろうか?そしたら、一時的にでも保護した方が良くないかな、明日は雨になるのだし・・・帰宅して、晩ご飯を作って家族と食べ終わっても、心配の方が大きくなってしまった。

 ちょっと見て来よう。家に帰っていたら安心だけど、迷子ならお腹もすいているだろう。念のために、お供え用に買ってあった猫ごはんと紙皿を持って家を出た。夜11時を回っていた。

 5分ほど歩き、先ほど黒猫を見かけた場所に到着。そこで立ち止まって猫を見た時と同じようにスマホをいじってみたけれど、猫は出てこなかった。そこのブロックは植林部分が多く、林の中にいるかもしれないと思いつつ、念のためゆっくりぐるっと2周歩いた。良い散歩だ。

 それでも、猫には行きあたらず、居そうな雰囲気も無かった。きっと家に帰ったのだろう。良かった良かった。

 昔、家と外を自由に出入りしていた実家の猫たちも、母の帰る時間近くになると外にお迎えに出ていたもんね。あの黒猫も、夕方で、飼い主さんをお迎えに出ていたのかもしれない。今頃はごはんを貰って安心して寝ているかなーーそう考えながら帰った。

 安心半分、そしてまた黒猫ちゃんとの生活が始まるかもしれないと期待した気持ち半分も、実はあった。ごめんね息子。でも、次に猫を触れるのはいつになるだろうか。猫は、本当に「かわいい」の塊だ。(たまらなくなって通ってしまいそうだから、猫カフェは自粛している。)

 そうそう、あの時、私の買い物袋の中にはお鍋セットの魚介類が入っていた。だからあの「金姫もどきちゃん」も・・・さすがですな!