iモードの松永真理が
NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」第20回「本物の平蜘蛛」が5/24に放送され、竹中直人演じる松永弾正久秀が派手に爆死した。
久秀が持っていたとされる名器の平蜘蛛と呼ばれる釜(古天明平蜘蛛 - Wikipedia)は、彼が死に際して割ったものと思いきや、このドラマでは元々久秀が手にしたのは偽物であり、そのうちの1つを主人公の小一郎が久秀との駆け引きの末に「偽物」だとして盛大に割った。信長に差し出した残り1つには「南朝財宝在之」と記された地図が入っており、後に大和を治める小一郎が金銀財宝を探し出す運びになるのだろうか?今作の守銭奴小一郎なら、やりそうだよ。
突然だが、この松永久秀の子孫にあたるのが、「とらばーゆ」編集長やiモード(iモード - Wikipedia)で名前が知られた松永真理なのだそうだ。久秀の嫡男久通(松永久通 - Wikipedia)の項に「一説に子に彦兵衛(一丸)がいたといわれ、その系統の子孫から海軍中将・松永貞市、海軍大尉・松永市郎、iモード開発者の松永真理が出た」とあった。へーえ。
確かに苗字は松永さんだものね!iモードは、「2026年3月31日のFOMA停波と共にサービスを終了」とのことで、ちょうど今年3月に使命を終えていた。ウィキペディア先生を見て懐かしくなったが、若い世代には「は?何だそれ」という話かも。
さて、NHK公式サイトからあらすじを引用する。
第20回「本物の平蜘蛛」◆◇あらすじ◇◆
信長(小栗 旬)は、上杉攻めから離脱し勝手に帰国した秀吉(池松壮亮)に激怒。蟄居(ちっきょ)のうえ、死罪に処すと申し渡す。羽柴家一同が助命嘆願に奔走する中、松永久秀(竹中直人)が再び裏切ったという知らせが入る。九死に一生を得た秀吉と小一郎(仲野太賀)は久秀との談判に臨み、唯一無二の茶器・平蜘蛛を渡せば謀反は不問にするという信長の意向を伝える。だが破格の条件にもかかわらず、久秀はなぜか応じないと言い張る。(第20回「本物の平蜘蛛(ひらぐも)」まとめ|大河ドラマ「豊臣兄弟!」 - 「豊臣兄弟!」見どころ - 大河ドラマ「豊臣兄弟!」 - NHK)
信長は秀吉ラブだから
前回からの北陸での上杉攻めでは、秀吉が司令官の柴田勝家と戦況判断を異にして揉めていた。上杉の策を忠告したのに勝家に意見が容れられなかったため、秀吉は自軍を率いて勝手に帰国。信長は、秀吉の規律違反のせいで織田軍が手取川で大敗を喫したと考えていた。
「織田家を守るには、こうするより他になかった」と秀吉は小一郎に言っていたが、これはマズい展開だ。北国攻めで秀吉に同行していた蜂須賀小六も宮部継潤も、そして兄を長浜城で迎えた小一郎も真っ青だ。
怒髪天を衝くと見えた信長は;
- 北国での戦いは我が方の惨敗じゃ。半数以上の兵を失った。
- 愚かなのはお前じゃ!
- お前が勝手に逃げ帰らねば、このような大敗を喫することは無かったであろう
- お主は居ても居なくても同じということか・・・では死ね!
- 真に、どうすることもできなかったか。なぜ命懸けで権六を止めなかった。金ヶ崎では儂を説き伏せたではないか。
- 敵の策を見抜いておきながら、おめおめと己だけ逃げ帰った主も(総大将の勝家と)同罪じゃ。
- 何より重き罪は、儂の命に背いたということだ。叡山に続き、これで二度目じゃ。
確かに怒って秀吉を踏みつけてもいる。けれど、「もはや許すことはできぬ」と言いながら、秀吉をすぐには成敗しなかった。口では「では死ね」とは言ったが「追って沙汰を申しつけるまで、しばしこの安土でおとなしくしておれ」と時間を置いた。(そこで腰が抜けている小一郎💦)
だから、「あらすじ」が書くようには、死罪を申しつけられてはいないよね。
信長のセリフを並べてみると、信長は、秀吉を深く信頼している。さらに言えば、ここで金ヶ崎の退口の話を持ちだす所に、このドラマの信長の秀吉への恋心を感じちゃうんだよな。
秀吉が自分の足の甲に刀を突きたて、長政の裏切りに狼狽する信長を一瞬にして鎮めた、あの時。秀吉の自分への愛の深さに、どう見ても信長はズギューンとハートを撃ち抜かれ、感動しちゃってたじゃない?
多分だけど、LGBTQが市民権を得てきている現代なのだし、このドラマの信長の裏設定はゲイなのでは?だから、正妻も側室も一切出演させず、男勝りで弟のように振る舞う妹のお市しか出てこないのではないだろうか。
もちろんね、主人公兄弟の家族の女性たちを描くにあたり、織田家の女性陣を賑々しく登場させたらピンボケになる、という事もあるのかもしれない。でも、前田利家の妻まつは出てくるのだしねえ。偏りは否めない。
帰蝶も生駒吉乃もお鍋の方も存在すら感じさせないのに、しっかり信長の嫡男信忠と三男信孝は生まれ育ち、ドラマに顔を出していた(次男の信雄は?後からサプライズで大物俳優がご出演か?できれば浜野謙太をお願いしたい)。家督を継いだ信忠は、今回の信貴山城攻めでは織田方を率いる立場だ。
つまり、家を継ぐ息子たちさえ産んでくれたらそれで良し、今作の信長の眼中に女はいないのではないか。そういうゲイの信長だったとしたならばね、愛する秀吉を何としても救おうとするんだろうね。
信長は「運が良かったのう、サルども。松永がまた裏切りおった」と、秀吉のために用意したチャンスを目の前にぶら下げた。
命令は「松永を説き伏せ、再び儂の下にひざまずかせよ」だった。そして但し書きがある。「あやつの持つ茶器の中で最も価値のある、平蜘蛛を差し出させよ」が、秀吉の失態に信長が目をつぶる条件だった。
信貴山に立てこもり、「平蜘蛛は断じて渡さん」と頑張る松永久秀に、秀吉がこう言っていた。
秀吉:松永殿。拙者はこう思いまする。上様は、あなた様を許す理由が欲しかったのではないかと。それには平蜘蛛がうってつけでござった。真は何でも良かったのやもしれぬ。上様は、あなた様を死なせたくないのでございます。生きておれば、きっとまた機は巡って参る。
久秀の爆死後、今度は小一郎が秀吉にこう言った。
小一郎:兄者が安土に留め置かれた時に思うたんじゃ。なぜその場ですぐに処罰を下さんのかと。あの時、松永殿が謀反を起こすのは目に見えておった。上様は、それを待っておったのではないか?兄者を許す理由とするために。松永殿も平蜘蛛も、上様にとってはどうでも良かったのかもしれん。兄者さえ許すことができれば。
秀吉:本当のところはどうか分からんが、ほうじゃとええの(ほっこりと笑顔)。
それだよね、今作の秀吉は本当にチャーミングな天使。その真っ直ぐな天使に恋している信長様なのだと見えているよ。ところで、最後にお市と眺めていたのは、本物の平蜘蛛なのか。え~!
ダシに使われた久秀なんだけどさ
何としても秀吉を救いたい信長のためにダシに使われた格好の、今回の松永久秀。説得に来た羽柴兄弟に「素直に平蜘蛛を差し出せば、大和は返してもらえるのか?」と、大和支配への執着を見せた。
筒井順慶が、なぜ信長に選ばれたのか・・・「順慶の若さ」が理由になっていたが、久秀の執着こそが良くないのだろうねえ。久秀が若くないったって、息子も居るんだしねえ。
この筒井順慶の中の人、「まんぷく」塩軍団の赤津だよね?と思って調べた。ウィキペディア先生を見たら、空手に居合に語学に、すごく頑張ってる(永沼伊久也 - Wikipedia)。語学はともかく武道に熱心だから、戦国大河のご出演は念願だったろうね。その腕を見せるシーンは今後あるのだろうか。
松永久秀に話を戻すと、最近は見直しが進んでいると聞いたような気がする久秀の人物像だが、これまでは三大梟雄だっけ、散々な言われよう。今回の爆死は、その昔の虚像の印象を強めるような気がしてしまったよ。
新しい久秀像が見られるかと期待する気持ちもあったからね。「麒麟がくる」の久秀は吉田鋼太郎。平蜘蛛も、久秀の死後に光秀の手元にシレッと届いちゃって、光秀の心が試されるみたいな・・・。この「豊臣兄弟!」と比べて、「麒麟」の方が私は面白く見られたかなあ。
竹中直人に文句がある訳じゃ全くないが、このドラマの久秀は、自分は側室に父(偽物づくりを生業にしていた)が産ませた「まがい物」との悩みを捨てきれず「いつか必ず本物になって見返してやる」「あの御方(三好長慶)だけはこの儂をまがい物扱いしなかった」と話す人物なのだよねえ・・・ふーん・・・なんか幼稚だね。
傑物の久秀にしちゃ器が小さいこと言ってるよな~と、どうしても思ってしまった。小中学生の大河ファンの為なのだよね。やれやれ。この場面がまた、延々と長い。
その三好長慶に任された、御仏と神々の威光に満ちた地が大和なんだと力説する久秀。もう駄々っ子の彼の心を動かさないとならないから、小一郎も秀吉も久秀が言う勝負に乗るしかない(やれやれ😥)。自分たちの首を賭け、2つの「平蜘蛛」から本物を選びとることができるのか、小一郎!
小一郎:はっきりと見えた。まがい物の平蜘蛛は・・・こっちじゃ!(1つを振りかざす)
久秀:やめろ!
小一郎:ヒヒヒヒヒ。これが本物でござるな?御免!(反対の偽物を叩きつけ、割る)
(中略)松永殿。拙者は人にまがい物など無いと存じまする。百姓じゃろうが侍じゃろうが、そやつはそやつじゃ。
久秀:たかが百姓上りが、ぬかしおって。
小一郎:ここまで松永殿と話して思うたのです。偽りも、いずれ真になると。松永殿は、本物でござりまする!
久秀:・・・お前たちこそ本物じゃ。本物の大馬鹿者じゃ!
・・・うーん、やっぱり、無理くり小一郎の見せ場を作ろうとしている感が抜けないな。蓋を開ければ、平蜘蛛とされた茶器は2つともが偽物。小一郎が壊そうとして「やめろ」と久秀が止めたのは、それが偽物づくりをしていた父親が作った物だったから。うーむ・・・。
とにかく久秀の爆死、お疲れさまでした!(竹中直人に)
秀吉を救え!羽柴家中、女性陣も団結
チャーミング秀吉を池松壮亮が本当に素晴らしく演じているのだが、今回も、監禁部屋(秀吉を失禁させちゃう監視役ってラバーガールの?)から出されて廊下で寧々を見つけ、みるみるうちに涙顔になった場面では、それをすごく感じた。つくづく、うまい役者だよね。
秀吉:最後に、寧々とお豪に会いたかったのう。(中略、信長に呼び出され廊下を行き、角を曲がって固まる)小一郎・・・(寧々に顔を向けたままボロボロ泣き始める)、儂はついに幻が見え始めたぞ。
小一郎:寧々殿。(秀吉、小一郎を振り返ってからまた正面の寧々を見る)
寧々:(満面の笑顔)また会えましたね。
秀吉:寧々・・・すまぬ。このようなことになってしもうて。
寧々:(一瞬の心配を振り払うように、おどけて)何です?揃いも揃って木から落ちた猿みたいな顔は。皆で助けに参りました!(にっこり頼もしい笑顔)
寧々を演じる浜辺美波がこれまた大きなアップにも耐える美貌なのは周知なのだが、しおしおと泣く秀吉の方も、まあ可愛いこと可愛いこと。池松壮亮としては、主役の小一郎(仲野太賀)を食わないように演じていても、素材が日輪の子秀吉という日本史上の超人気者。どうしたって光り輝いてしまうよ。
いいんだよ「豊臣兄弟」なんだから。NHKは小一郎を一生懸命打ち出しているけれど、こちらは「利家とまつ」みたいなダブル主役ものだと思って見ているから。
ところで、「兄者を助けてくだされ!」と小一郎が頭を下げても、丹羽長秀は古い付き合いの勝家の手前、協力を渋った。明智光秀、柴田勝家らは信長から信頼の無い立場だとして断った(小一郎の手紙を勝家に取り次ぐ前田利家が、良い奴だ)。
明智光秀は「この胸の奥に、公方様をお救いできなかった悔やみが未だに小さな火種として燻っておる。上様もお見通しのはずじゃ」と弱々しく言いながら、纏っているのは、やる気の出そうな赤と黒の派手な衣装。マジンガーZか。言っている内容はそろそろ本能寺を匂わせ始めたかなと思わせるけど、ホントにメンタル弱まってるのか?
そして、女性陣。前回から小一郎を信じることにした妻のお慶は、懐刀を忍ばせて安土城に向かおうとする寧々の前に立ち塞がり、「馬鹿な真似はおやめください。寧々様がいなくなったら豪姫はどうなります?」そして「行くなら家中皆で参りましょう」と言った。
それで家中皆が揃って信長に忠誠を誓う起請文を作成。言い出しっぺはお慶だ。「私たちの思いを上様にお伝えするのです」と。前述の廊下で秀吉が幻かと思った寧々は、その家中各々の血判付きの起請文を持参して安土に来たのだろう。
血判を怖がるあさひの前で、お慶は粛々と署名と血判。お仲はお慶に「ありがとうね、藤吉郎のために」とお礼を述べたが、ともは「当たり前でしょ、慶さんは私らの身内なんだから。ねっ」と、これまでよそよそしかったお慶をさりげなく受け入れた。
頷いたお慶も、あさひの血をやさしく拭って微笑み、羽柴家のおなごの雪解けが描かれた。やれやれ。
信長が秀吉に沙汰を下す間際、小一郎が待ったをかけて披露したのが、その家中の血判状。信長は一応蹴散らし、「こんなものでは怒りが収まらない」ポーズ。でも、秀吉を許す気満々なものだから「・・・が、この者たちの願いが、或いは天運を呼び寄せたか」と格好をつけた。本当に愛されてる秀吉。最愛なんじゃないか。
さて次回は、許しの条件とも言える播磨攻め。軍師黒田官兵衛がいよいよ登場(ということは半兵衛との別れも間近)、小一郎も総大将になるとか。予告の磔が怖かったなあ・・・。
(ほぼ敬称略)