黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

ポンコツで、申し訳ない

今月は、25日からの最終週に「被害者週間」が設定されており、たくさんの被害者支援関連の行事が先月末ぐらいから予定されている。私も、いつもにも増してお世話になっている被害者の方たちとお目にかかる機会があると思い、楽しみにしていたのだが、なんと…家族に風邪をうつされ、その後喘息発作が出てしまって、1週間以上の体調不良が続いた結果、既に4つのうち2つも行事をキャンセルすることになってしまった。残念でたまらない。
 
私は何でもかんでも病気をもらいやすく、しかも治療に使える薬が限られるので自力で回復するしかないところもあり、神経質にまで気を付けていると思っているのだが、力及ばず…お声をかけてもらっていたのに、がっかりさせてしまい、本当に申し訳ない。
 
【行けた①】まず、10月29日に「東日本大震災 私たちだからできること ~pray and action~」というシンポジウムがあり、被災地での女性と子ども支援のために、全国の個人や団体を結び付ける活動をしている仙台の女性が基調講演をした。質疑応答で、ハード面では、自家発電のできるマンションが震災当日から支援の拠点として活用できた話が興味深かったが、ソフト面としては「顔の見えるネットワーク構築」を日ごろからしておくことの大切さをおっしゃっていて、近くの他人との有機的なつながりを作っとかないとな…と考えさせられた人が多かったのではないかと思う。
 
この「顔の見えるネットワーク」の話は、ちょうどその時期に読売新聞で読んだ荻上チキ氏の「支援訓練の必要性」についての話と共通するように思う。荻上氏は、被災する側としての避難訓練や消火訓練と同じように、支援する側の「支援訓練」をしておくことで、災害時に何をしたらいいのか分からず右往左往することや、また、自己中心的な「ダメ支援」をせずに済む…というようなことを書いていた。
 
確かに、災害時に大多数は支援する側に回る。「私に何ができるのか」を震災時にみんな考えたろう。それを、すぐに有効な行動に移せるように、日ごろからしておくことは大切なことだ。
 
その「支援訓練」の中に、「顔の見えるネットワーク作り」は当然入ってくる。思えば、被災地に姉妹都市を持つ自治体が今回の震災でもそのパートナーに対して物資を送ったり、職員を送り込んで支援するようなことが見られたように思う。だから、「姉」都市が避難訓練を行う時は、パートナーの「妹」都市が支援訓練を同時に実施したらいいのではないかな…と思う。
 
そのときに、自治体の表同士がつながるだけではなくて、例えば女性センターが中心になってNPO同士が重層的につながりあい、表の支援からこぼれるニーズをカバーできるようになっておくべきだろうと思った。女の人だけにニーズがあるものって、必須なのに男が贅沢品であるかのように捉えて調達の優先順位を下げたり、無視したり、特に保守的な土地柄の場所では散々な状況があったようだ。災害時だからこそ、表面化する問題に訓練中から思いを致しておく必要があるだろう。
 
【行けなかった①】10月30日、「WiLL」と呼ばれる「少年犯罪被害当事者の会」のシンポジウムが渋谷であった。少年によって最愛の子供を殺された家族の会で、いつもは関西で開催されているような印象があり、これまで参加できなかったのだが、ご紹介をいただいてやっと今年は行ける♪と楽しみにしていた。今年のテーマは「癒されない家族~改めて少年法を問う」だった。
 
だが…前日の「行けた①」シンポ会場で具合が悪くなりはじめ、咳が止まらなくなり、お断りせざるを得なくなってしまった。あ~あ、である。
 
これまでに少年法が3度改正され、犯罪被害者等基本法が施行され…と、被害者の権利保護のための法整備は進んでいても、被害者家族が置かれている現状は「まだまだ苦しみが続いている」とシンポジウムのチラシには書いてある。会場に行った知人も、被害者家族の経験したこと・状況がもっともっと一般に知られるべきだろうとの感想を抱いたという。
 
【行けた②】11月2日、都庁で行われた市区町村の交通安全担当の職員を対象にした会議で講師を務める被害者の方に同行した。被害者の方の大変さに比べたら喘息が…などと言っていられないが、何とか発作が出ずに良かった。
 
散々飲酒しての危険運転の車に衝突されたために、一家4人で乗っていた車両は大破し、両親が死亡、双子の男女が重傷を負って今も後遺症に苦しんでいる。弟妹を支える長男夫妻も限界まで頑張っている。そんな中で、飲酒運転をさせない環境づくりを目指し、率先して講師を引き受けて啓発に努めている姿には、ただただ頭が下がる。
 
改めて考える。犯罪被害に遭うということは、人生でも一番つらいことと言っていい経験だと思う。それを、被害者の方たちは、講演することで否応なくもう一度なぞることになるだろう。本来なら思い出したくもないくらいのつらいことを、思い出し、時に再体験しつつ涙を流してまでも話をするのはなぜかと言えば、もう自分たちと同じ経験を他の人たちにしてもらいたくないからだと、そう説明する被害者の方たちは多い。自分たちのためでなく、社会のために…と使命を感じておいでのようだ。
 
だから、話を聞く側も、簡単なことじゃないのだということを理解して大切に話を聞いてもらいたい…釈迦に説法だったかもしれないが、私は思わず会議担当の都職員にそう力説してしまった。 (^_^;)いやはや
 
【行けなかった②】よけいなことを都職員に力説したせいか、翌日から喘息のために声が出せなくなってしまい、11月5日に埼玉県越谷市で開かれた犯罪被害者支援「県民のつどい」には参加できなかった。行く気満々だったのだが…とにかく声が出せないので、情けないことに家族に電話を入れてもらってお断りした。被害者援助センターの方には事前に何回もお電話をいただいていたのに…情けない(-_-;) この日は、交通事故被害者の方が基調講演をしたはずだ。
 
色々と考えるべきことがあり、書くべきことがあり…だったはずなのだが、この1週間以上寝たり起きたり、ほぼ寝込んでいたので頭がドンヨリ。身体がなまると頭がぼけるのは本当だなあ…もう少し、頭が働くようになったら書くようにしたい。