黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

【どうする家康】#24 スイスじゃなくてEUだった瀬名の夢

酒井忠次以下、家臣団は優秀なのに殿は

 NHK大河ドラマ「どうする家康」第24回「築山へ集え!」が6/25に放送された。まずは公式サイトからあらすじを引用させていただく。

瀬名(有村架純)と信康(細田佳央太)が各地に密書を送り、武田方をはじめ多くの者が築山を訪ねていることを知った家康(松本潤)。これが信長(岡田准一)に伝われば、命より大事な妻子を失うことになる。苦悶の末、家康は数正(松重豊)らと共に築山へと踏み込む。だが瀬名は、家康が来るのを待ち構えていた。瀬名は、内々に進めていた途方もない計画を明かし・・・。(これまでのあらすじ | 大河ドラマ「どうする家康」 - NHK

 家康、「苦悶の末」と書いてあるけどなあ。悪いけど、本当に苦悶していたのかなあ。物事からただ逃げ回っていただけにしか見えなかった。

 築山に入り浸る信康への心配、岡崎が離反する懸念を家臣団から口々に聞かされても「それの何が悪い」「わしは妻と息子を信じておる」という反応。それで「信じれば物事が落着する訳ではござらぬ」と石川数正からピシャリと怒られて。

 家臣は優秀なのに、今作の徳川殿は相も変わらずピリッとしませんな。次回、ツケがたまって爆発か。

 他方、「鷹狩」を誘ってきた信長は、家康へ一応愛ある対応を見せた。「どうじゃ?近頃」「岡崎もか?」「五徳が色々と申しておる」「水野のようなことは・・・あれで最後にしたいものじゃ」と告げて、去っていった。

 その間、信長は家康には近寄らず、顔を背け、毎度ねっとり耳攻撃もしない。水野の件を告げる時だけ、家康の顔を見た。いつもより心理的距離を感じさせた信長の様子を見て取り、危機感のない家康にすかさず「手を打ちましょう!」と進言したのは酒井忠次。本当に彼は優秀だ。二番手が裏切らず優秀だから徳川は生き残ったという描き方か。

対照的に、御方様へと立派に成長した瀬名が

 さて、前回の「瀬名、覚醒」から考えて、今回で悲劇的な方向へと物語は舵を切るものとばかり身構えていたので、今回の副題「築山へ集え!」のポジティブさに違和感を覚えていたのだけれど・・・そういうことだったか。着地先は納まるべきところに納まりそうで、なるほどお見事、だけどプロセスがアクロバティックで驚いた。

 前回のブログでは、こんなことを書いた。

 瀬名の大きな夢って?戦国時代の感覚を飛び越えた現代的な女性だとすると、もしかして永世中立的な場を築山に形成すると言い出すのか。今のスイスみたいな。(略)

 でも・・・スイスは中立を守るために武力も整え、それだけ血を流してきた歴史がある訳だから。単に織田の手先になってエンドレスの戦を戦うのは嫌だと精神的な平和の尊さを訴えても、それは空しく蹂躙されて終わるだろう。高度な文明を持っていたと言われながら、滅ぼされていったインカ帝国などが頭を過ったりする。

 しかし、スイスとは想像がたくましすぎるか。瀬名の真意がどこにあるのか、まだ分からない。(【どうする家康】#23 覚醒した瀬名、嵐を呼ぶか穴山梅雪 - 黒猫の額:ペットロス日記 (hatenablog.com)

 ・・・ということで予想したのは永世中立国のスイス止まりで、瀬名が岡崎の中立を言い出すのかと思ったのだったが、そうではなかった。

 瀬名が構想していたのは、足りない物を融通し合って支え合い、共通の通貨を流通させて一大経済圏を成立させる、巨大な「慈愛の国」。それを聞いて「EUだよね、ユーロもあるし」と多くの視聴者が考えただろう。

 スイスで「想像がたくましすぎるか」なんて私は言っちゃってたけど、もっとたくましくしなければ追いつかなかった。

 確かに瀬名の構想が現代的なので、それを戦国時代を描くドラマがぶち上げてきたことにはビックリではあった。だけれど、彼女の経験値を考えたら、瀬名がその考えに行き着いたとしても「ちょっと時代を先駆けているよね、そんな考えが出てくるのはもっと後だよ」とか、何の書物のどこから出てきた、そんなの彼女には不可能だ、とも私は思わなかった。

 そんな風にね、声を発せられない側にいた瀬名をバカにできない。

 主流をも動かすような、まとまった思想として人々に理解されるようになるには時代的にもう少し下る必要があったとしても・・・きれいな言葉にはできなくとも、戦争を何とか避けたい思いは浮かんでは消え浮かんでは消え、似たような考えは人々の間に長く揺蕩っていたのではないか。

 戦国時代の人間がみんな好戦的だとは思わない。戦いたくない人間の言葉が、強者によって圧殺されてきただけだろう。

 大体、それなりの立場のある人の言葉じゃなきゃ記録にも残らない。ペーペーが言っても聞こえない振りでスルーされても、上司が言うと会議で通る、みたいな。アメリカ大陸は先住民が住んでいたのに、コロンブスに「発見」された、みたいな。

 さらに脱線気味だが、昔、「レディーミツコ」という漫画を読んだ。作者は大和和紀だった。骨董屋の背の高い娘・青山ミツがヨーロッパのクーデンホーフ=カレルギー伯爵に見初められ、ヨーロッパに渡り、社交界の花となる。彼女の息子リヒャルトは、EUの礎となる汎ヨーロッパ主義を提唱する人物になる。

 かつて戦争続きだったヨーロッパがEUとなる歴史の裏に、リヒャルトの母・ミツコの存在は無関係だったか?国家間の戦争で一番困るのは、国際結婚の当事者だ。でも異国人のミツコよりも、貴族であるリヒャルトが言うからヨーロッパでも話を聞こうという人たちが出る。「彼のバックグラウンドを考えたら、そう考えても当然だね」と彼の言葉を尊重する空気がメインストリームに存在して初めて、思想というのは広まっていけるんじゃないのか・・・なんて昔考えたのを思い出した。ちょうどEUだし。脱線終わり。

 ということで、瀬名は本当に追い込まれた境遇にある。最愛の息子の命、夫も家中も全て安全にソフトランディングさせたいとなったら、現代的と見えるウルトラCだって飛び出すかもしれない。

 母・巴の死に際の言葉は、必ず瀬名が追い込まれたら出てくると最初からわかっていたのに、いざ見てしまうと心にズンと来た。

瀬名、強くおなり。我らおなごはな、大切なものを守るために命を懸けるんです。そなたにも、守らねばならぬものがあろう。瀬名、そなたが命を懸けるべき時はいずれ必ず来ます。それまで強く、もっともっと強く、生きるんです。(第6話「続・瀬名奪還作戦」)

 力に頼らず、相手を尊重しつつ味方を増やしていく事は、粘り強くメンタルが強くないとできない事だと思う。細い尾根の上をそろりそろりと歩く思いであり、落ちれば真っ逆さまなのだ。瀬名の心底には、全身を震わせて泣きたい必死な思いが常にあったはずなのに、そんな心理状態にありながら穏やかに笑顔で事を進めるなど、尋常な強さではない。

 母の言葉通り、瀬名は強くあろうとしていた。それが、家康と対峙する彼女からはよく伝わってきた。

瀬名:書物を読んだり色んな方に教えを請うたり・・・そして、ひとつの夢を描くようになりました。

家康:夢?

信康:母上の考えは、我らが武田の配下に入るのでも、武田が我らの配下に入るのでもありません。

家康:どういう事じゃ。

瀬名:私たちはなぜ戦をするのでありましょう?

家康:わしが生まれた時からこの世は戦だらけじゃ。考えたこともない。(瀬名に見つめられて)戦をするのは・・・貧しいからじゃ。民が飢えれば、隣国より奪うほかない。奪われれば、奪い返すほかない。

瀬名:されど奪い合いは、多くの犠牲を伴います。

家康:已むを得ん。

瀬名:そうでしょうか。

家康:なら、どうすれば良い。

瀬名:貰えばようございます。

家康:貰う?

瀬名:米が足らぬなら、米が沢山ある国から貰う。

家康:ただでくれはせん。

瀬名:代わりのものを差し上げます。塩が取れる国ならば塩を。海があれば魚を。金山があれば金を。相手が飢えたるときは助け、己が飢えたるときは助けてもらう。奪い合うのではなく、与え合うのです。さすれば戦は起きませぬ。

酒井忠次:御方様。仰せになることは分かります。しかし、それは理屈でござる。実際にはそのようには・・・。

瀬名:まいらぬか?

石川数正:少なくとも、徳川と武田がそのように結ぶことはできますまい。互いに多くの家臣を殺され深い恨みを抱えております。

信康:父上。私はもう、誰も殺したくはありませぬ。戦を止めましょう。

家康:信康・・・。

五徳:されど、そのようなことは我が父が許さぬでしょう。

忠次:さよう。織田と敵対することになる。戦になりましょう。

信康:我らは誰とも戦はせぬ!

忠次:向こうから攻めてくるのでござる。

瀬名:そうならぬため、この方々にお知恵を頂きました。

信康:久松殿、今川殿らの誓書でござる。

(略)

数正:そのような結びつきは、脆いものかと。

信康:肝心なのは銭でござる。

数正:銭?

瀬名:それらの国々が同じ銭を使い、商売を自在にし、人と物の往来を盛んにする。さすればこの東国に新たなる巨大な国が出来上がるも同じ。そのような巨大な国に信長さまは戦を仕掛けてくるでしょうか?強き獣は弱き獣を襲います。されど、強き獣と強き獣は、ただ睨みあうのみ。

信康:睨みあっている間にも、我らの下に集う者はどんどん増えるに違いありません。この大きな国は、武力で制したのではなく、慈愛の心で結びついた国なのですから。

家康:慈愛の心で・・・結びついた国。

千代:いずれ織田様も、我らの下へ集うことになりましょう。

穴山信君:武田、徳川、織田、北条、上杉、伊達らがあらゆる事柄を話し合いで決めてゆくのです。さすれば戦のない世ができまする。

瀬名:日本国が、ひとつの慈愛の国となるのです。

信康:これが、母上が考えた途方もない謀でございます。

瀬名:すべての責めは、この私が負う覚悟にございます。殿、左衛門尉に数正、そして五徳。どうか私たちと同じ夢を見てくださいませ。

家康:・・・なんというおなごじゃ。

五徳:五徳は・・・信康様について参ります。

瀬名:(一点を見つめたまま、一筋の涙を流す)

 有村架純は、ちょうど再放送中の「あまちゃん」の主人公の、こじらせていつまでもかまってちゃんな母(若き日の春子)として出演中なので、楽しんで見ている。そして今作の初期はかわいらしい姫として登場し、今や賢く説得力のある御方様。いつまでもピリッとしない夫と比べ、しっかりと成長している。

瀬名の考えを形作ってきた言葉たち

 瀬名の考え方を形作り、支えている言葉の数々が、今回の冒頭で丁寧にリフレインされていた。忘れっぽい視聴者のための「まとめ」か。

 巴の言葉の他には、お万のセリフ「私はずっと思っておりました。男どもに戦のない世など作れるはずがないと。政もおなごがやればよいのです。そうすれば男どもにはできぬことが、きっとできるはず」があった。

 そして、前述のように時代の陰で潰されていった言葉として、大岡弥四郎の「くだらん!御恩だの忠義だのは、我らを死にに行かせるためのまやかしの言葉じゃ!皆、もう懲り懲りなんじゃ。終わりにしたいんじゃ。だが終わらん。信長にくっついている限り、戦いは永遠に終わらん無間地獄じゃ!」も印象的だった。

 この大岡弥四郎のセリフに打ちのめされた様子だった信康の、長篠の戦によるPTSDを経ての闇落ちは、瀬名を動かした一番のポイント。「わしに逆らう奴は斬る。斬られたい奴は出てこい!」と、異様に高ぶって、無辜の僧を斬った返り血をものともせず息子に叫ばれた日には、母としてこれ以上ショックな現実はない。

 とどめは武田の間者・望月千代の言葉。「岡崎と信康様を救えるのはあなた様だけと存じますよ。」これでパズルのピースがピピピと瀬名の脳内でハマり、彼女の行動を決定づけたのだろう。

 瀬名は言った。「母にはずっと胸に秘めてきた考えがある。全てを懸けてそれを成す覚悟ができている」。

 それが、武田だけでなく(織田以外の)できるだけ多くの勢力と、与え合う「慈愛」の心で手を結び、大きな集合体となって織田と対抗する考えだった。「強き獣と強き獣は、ただ睨みあうのみ」と。(でも、ウサギはいくら集まってもウサギの集団で、虎にはなれないと思うけどな・・・ウサギの集団VS.虎だと、やっぱり虎は躊躇しないでしょ?)

 瀬名が、辛すぎる現実から目を逸らさず、考え抜いたから到達した結論だ。物事から逃げ回る家康とは対照的な、瀬名の内面の強さが描かれていた。

 (現在進行形の悲劇、ウクライナを思う。ウクライナが早いところEUに入っていたら、ロシアも手出しできなかったのでは・・・睨みあうのみで。)

田辺誠一はどこか甘いキャラが定位置

 SNS等を見て思うのだが、奪い合わず戦抜きで手を取り合う事が、戦国の現実を見ていない「頭がお花畑」的思想だと一笑に付されていいものなのか。武田・今川・北条の三国同盟だってあったじゃないかーーだが、軍事力が裏打ちとしてあったからなぁ。

 丸腰で手を差し伸べても、相手から一方的に奪われるだけの結果になるというのが、悲しいけれど戦国の現実というものかも。物語の中で、信玄よりも信長よりもはるかに人格者だった今川義元が治めていた地が、旧同盟国の単なる草刈り場になってしまったし。

 「戦乱の世はもう終わらせなければならぬ」と言った義元。彼が家康に説いた王道は今、覇道に下った形だ。「武を以て治めるは覇道、徳を以て治めるのが王道也」が空しい。

 瀬名の謀(はかりごと)に理解を示した田辺誠一が演じる穴山信君は、敵将とも思えない「いい人」だ。これまでの彼の目に付くキャラがそうであったように、情にほだされたり甘いところがあったりする「やっぱりね」の部分が出てきた、ということか。

 そういう厳しくなりきれない「優しい」「甘い」のが田辺誠一は似合うんだな。映画「ハッピーフライト」では、演じていた若手パイロットが規定通り帽子をかぶらず、そのせいで災難に遭っていたような気がする。「風林火山」では武田家武将の小山田信有を演じ、真木よう子演じる敵将の奥方(幼少期に主人公・山本勘助とお知り合い)を側室に迎え、その姫に殺されていた。

 そうか、今回の穴山信君は勝頼のいとこ、「風林火山」の小山田信有は信玄のいとこだから、武田家当主のいとこポジションが田辺誠一の定位置なんだ・・・ちがうか。

 とにかく、後の穴山梅雪は勝頼を裏切って徳川・織田に通じるから、今回の築山殿事件によって心理的下地ができるということかな。「人心が離れ」たんだな。

勝頼が悪役、それ必要だった?

 そして、いとこの穴山梅雪に裏切らせてしまう武田勝頼。前述のお万の言葉を証明したのが勝頼だったかと思う。

 勝頼は、当初は戦を嫌う岡崎が武田に縋ってきたと理解し、「これで織田と徳川を分断できる」と考えた。築山殿の言う「武田と手を結ぶことを望んでいる」の意味は、信じ難かったのだろう。力と力のぶつかり合いの中で生きてきた戦国のマッチョ武将だ。

 しかし、穴山信君は「戦い続ければ先に力尽きるのは我らかと。この策に懸けるより他に我らの生き残る道は(無い)」と言った。

 だから、瀬名の意図はともかく、とりあえず話に乗っかって長篠の戦で傷ついた武田軍の力を養う期間として瀬名の策を利用する方向を選んでも、責められない。突飛な「おなごのままごとのような謀」には乗れないよね。無理もない。

 何しろあんな厳しすぎるブートキャンプみたいなところで育ったのだ。「筋肉は裏切らない」を信条に筋肉に生きる勝頼が、「徳川と戦争ごっこ?戦を否定して話し合いのみ?バカバカしい」となるのは当然だ。鍛え上げた自分を否定するのか。

 今作の武田勝頼に、肉体的に非の打ちどころのない、最強の眞栄田郷敦をキャスティングした訳が分かる。「真田丸」ではインテリっぽい哀愁漂う勝頼を平岳大が演じていた。真田丸バージョンのインテリ勝頼では、むしろ率先して瀬名と手をつなぎそうだもの。

 築山の密約から数年経った1579年(とうとう!)、マッチョでファイターの勝頼は言った。

良い頃合いか。全てを明るみに出す頃合いよ。噂を振りまけ。徳川は織田を騙し、武田と裏で結んでおると。すまんな、やはりわしは、おなごのままごとのごとき謀には乗れん。仲良く手を取り合って生き延びるぐらいなら戦い続けて死にたい。信長の耳に入れてやれ。信長と家康の仲が壊れれば、わしらはまだ戦える。あのふたりに戦をさせよ。わしは織田、徳川諸共滅ぼす。穴山よ、この世は戦いぞ。戦いこそが我らの生きる道ぞ。我が夢は、父が成し得なかったことを成すこと。天下を手に入れ、武田信玄を超える事のみじゃ。築山の謀略、世にぶちまけよ!

 穴山信君と同様、すっかり瀬名にたぶらかされている千代の「どういうことでございましょう」と問う戸惑い、涙をにじませる表情からの落胆がわかりやすかった。千代も、戦で家族を軒並み失った側だから、瀬名の夢を見たかったんだろうな。

 しかしね、勝頼を悪者に仕立てるまでもなかったんじゃないか。

 史実でも、この数年は高天神城の攻防戦あたりで徳川と武田は一進一退が続いたらしいけれど、戦争ごっこをしばらく続けていた訳だから、それに従事していた兵は何人いたと思っているんだ。

 兵士たちは感情や口のないロボットではない。「今日も空砲を撃って、遊んできた」という、まさに「願ってもないほのぼの話」は、兵士→周辺の庶民を通じてパッと伝わるはずで、優秀な織田方の忍びはすぐにも戦争ごっこの真相を把握したはずだ。

 庶民は戦が無い状態を渇望している。そんな夢みたいなこと、と思いながらも、救いのない戦国時代だからこそ、瀬名のファンタジーには飛びつきたい人たちがたくさんいただろう。勝頼が命じなくても、ホワホワとしたカラフルな夢いっぱいの噂は庶民の間に広がったはず。そんなに良いこと、みんな黙ってられないよねえ。

 まあでも、ドラマだから・・・それに、前述のように、この瀬名と手を切る決断を契機に優しい穴山信君が武田勝頼に失望しないといけないから、そういうことにしておかないと。

 今回の勝頼はユダなのかな。そして慈愛溢れるキリストの役回りの瀬名が処刑される。瀬名が目指し、家康と家臣らも成し遂げようとした「東国の夢」が破れてしまう。次回、見るのがつらい。

(敬称略)