黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

【光る君へ】#24 気弱なまひろ、楽になりたくて宣孝との結婚に自分を納得させようとし始める

まひろを論破した宣孝のプロポーズ

 NHK大河ドラマ「光る君へ」第24回「忘れえぬ人」が6/16に放送された。前回は宣孝からのプロポーズ場面でドキリとして終わり、今回はその続きから。まずは今回のあらすじを公式サイトから引用しておく。

(24)忘れえぬ人

初回放送日:2024年6月16日

宣孝(佐々木蔵之介)から求婚され、さらには、周明(松下洸平)からも一緒に宋へ行こうと誘われるまひろ(吉高由里子)。しかし、心の内には道長(柄本佑)が…。一方内裏では、一条天皇(塩野瑛久)が定子(高畑充希)と生まれた姫皇子に会いたい気持ちを募らせていた。詮子(吉田羊)は一条の願いをどうにかかなえてあげてほしいと道長に懇願する。行成(渡辺大知)の案で、内裏の外で会えることとなったのだが…((24)忘れえぬ人 - 大河ドラマ「光る君へ」 - NHK

 あらすじには「周明(松下洸平)からも一緒に宋へ行こうと誘われるまひろ(吉高由里子)」と書かれているけれど、あれは「誘い」なんて穏当なものだったのか?完全に「脅し」だったよね。誘いと書くなんて、お~怖い怖い。

 しかし、まひろはあれだけ頭が良いのに、いざとなったらすっかり宣孝に論破されてしまった。やっぱり宣孝に比べたら所詮は小娘か。彼は長く宮廷で出世競争を生き抜いてきたやり手で、女性関係も百戦錬磨。まひろみたいな経験値の浅い若い娘など一捻り、ってことなのかな。

宣孝:ウニをもっともっと食べたかったのう。

まひろ:食べ過ぎはいけません。過ぎたるは及ばざるがごとしと申しますでしょ。

宣孝:(振り返って)あの宋人が好きなのか?あいつと宋の国などに行くなよ。

まひろ:何のことでございますか?

宣孝:前に言うておったではないか。宋の国に行ってみたいと。

まひろ:ああ・・・。

宣孝:都に戻ってこい。わしの妻になれ。戯れではない。

まひろ:(とまどって)では、何でございますか?

宣孝:あの宋人と海を渡ってみたとて、忘れえぬ人からは逃げられまい

まひろ:何を仰せなのか分かりませぬ。

宣孝:とぼけても顔に出ておる。

まひろ:何が顔に出ておりますか?(両手を広げ、半ば怒って)

宣孝:「忘れえぬ人」と言われて、途端に心が揺らいだ。そうであろう。

まひろ:(落ち着きなく)いいかげんなことを。

宣孝:都人は心の内を顔には出さぬが、お前はいつも出ておる。

まひろ:それは私が愚かだということでございますね。(ムキになっている)

宣孝:愚かなところが笑えてよい。わしの心も和む。

まひろ:宣孝様は分かっておられませぬ。私は誰かを安心させたり和ませたりする者ではありませぬ。

宣孝:自分が思っている自分だけが、自分ではないぞ。ありのままのお前を丸ごと引き受ける。それができるのはわしだけだ。さすればお前も楽になろう。

まひろ:まあ・・・忘れえぬ人がいても、よろしいのですか?

宣孝:(即答して)よい。それもお前の一部だ。丸ごと引き受けるとは、そういうことだ。都で待っておる。道中、楽しみに食そう。(にこやかに去る。まひろは唖然)

 こりゃ完敗だ。心の中の道長の存在を見抜かれていただけでなく、理屈で宣孝に完全にやられてしまった。漢詩の教養にあふれ、理屈が勝る左脳タイプに見えるまひろには、この敗戦は痛い。

 宣孝は抜け目ないからな。まひろが「三郎」と一緒に居たのを初めて見た時に、「ありゃ何者じゃ?」と友人の娘に変な虫が付いたら大変と心配して、道長の身元の調べはつけていたのかもしれない。それ以降は安心して、泳がせていたのかも。

 もしその頃じゃないとしても、その後、一向に結婚しようとしないまひろの結婚相手を探す段階で、誰かいるんじゃないかと不審に思い、調べて道長の存在を知った可能性もあるかな?「兼家の息子が相手なのか~、へ~やるじゃんまひろ」と面白く思い、自分でも何やら魅力的に見えてきてしまったって事もあるのかもしれない。

 ちょうど中の人の佐々木蔵之介のインタビューが公式サイトにあったが、演技プランとしてはプロポーズは京から準備して越前に行ったものではないらしい。まひろの自由な気持ちや発想に触れ、越前である光景を見て、ふたりで過ごすうちに心が動き、会話の中でドラマが動いていった・・・とのこと。

 越前で周明と海辺にいる彼女を見て、頃合いだと思ったのかもね。このあたりの謎解きは、いつかドラマの中であるのだろうか。

 しかし・・・「忘れえぬ人」がいてもいい、それもお前の一部だ、丸ごと引き受ける、それができるのはわしだけ。相手を自分の意のままにしようと脅したり暴力を振るったり、幼い支配欲丸出しの振る舞いを愛だと勘違いしてるような若造には、とても言えないプロポーズだった。く~、大人だ。

 宣孝の言葉はまひろの心に刺さった。この段階では彼女は宣孝になびかないが、今回の物語が進むにつれまひろは徐々に気弱になり、追い詰められていった・・・って感じかなあ。結婚への決意として、あまり健全なものとも思えない。

周明からの脅し、遺族まひろを舐めんな

 周明は、宋の皆の信用を得るためにまひろを誑し込み、左大臣道長に手紙を書かせて宋と日本の通商の道を開こうとしていた。それで、今回から芝居っ気たっぷりに彼女にグイグイきていて、その性急な急接近ぶりに、宋に行きたいまひろも、さすがに警戒心を持ったらしい。

 SNSで「国際ロマンス詐欺」なんてうまい言葉を見た。ま、周明は宋の見習い医師でも、日本の対馬生まれだから「なんちゃって国際ロマンス詐欺」かもだけど。このロマンス詐欺を、まひろは見抜いた上に立派に応戦し、襲撃者周明を撃退した。

まひろ:フフフフ・・・(宋語の練習で「大人」を「打人」と発音してしまい、笑いながら傍に座る周明をポンポン軽く叩く)

周明:早く、まひろと宋に行きたい。(まひろの笑顔が消えるが、構わず抱き寄せる)このままではいつまでたっても宋には行けない。左大臣に手紙を書いてくれ。

まひろ:(訝しげな表情で周明の腕の中から離れる)

周明:2人で宋に行くためだ。(まひろに口づけしようとする)

まひろ:(周明の口を押さえ、さえぎる)あなたは嘘をついている。私を好いてなぞいない。

周明:(まひろの手を口から退け、抱きしめる)好いている。

まひろ:抱きしめられると分かる。(周明を突き放す)あなたは違うことを考えている。私を利用するために。そうでしょう?

周明:(立ち上がる。陶器の壺を床に叩きつけ、破片をまひろの喉に突きつける)来い。(まひろを引っ張り、まひろの部屋へ移動して文机の前に座らせる)書け。左大臣に文を書け。左大臣が決意すれば、公の交易が叶うのだ、書け。

まひろ:書きません。

周明:書かねば、切る。

まひろ:書きません。書いたとて、左大臣様は私の文ごときでお考えを変える方ではありません。

周明:(大きな声で)書け!

まひろ:書きません。

周明:書かねば・・・お前を殺して俺も死ぬ。

まひろ:(そらしていた目を周明に向け)死という言葉を、みだりに使わないで。私は、母が目の前で殺されるのを見た。友も虫けらのように殺された。周明だって、海に捨てられて命の瀬戸際を生き抜いたのでしょう?(強く)気安く死ぬなど言わないで!(周明を見据え、睨みあう)

周明:言っておくが、宋はお前が夢に描いているような国ではない。宋は日本を見下している。日本人など歯牙にもかけておらぬ。民に等しく機会を与える国など、この世のどこにも無いのだ。つまらぬ夢など持つな。(破片を置き、立ち去る)

 ひゃ~、自分の目的を遂げるためには暴力に訴えるのか・・・DV気質をお持ちだったのだね、周明。見損なった。他方、まひろは「忘れ得ぬ道長」が心に存在するから、怪しく急接近してくる周明には警戒心を持つ余裕があったかな。

 でも、「打人」でポンポンまひろから周明を叩くボディータッチをしたり、あまり抵抗なく抱きしめさせちゃったり、そもそも距離が近いよなあ。誤解を招く距離を許していると思う。まひろ、小悪魔か。

 まひろが「抱きしめられると分かる」のは、愛のあるハグを道長と交わしていた経験が物を言ったね。20秒抱きしめられるとなんちゃらホルモンが出て相手を信じる気にもなると聞くから、周明はもうちょい長く抱きしめていたらまひろを騙せたかも😅なんて。そんな訳には行かない。

 道長に手紙を書かせようと、周明は陶器を割って鋭くとがった破片でまひろを脅し「お前を殺して俺も死ぬ」とさらに迫ったが、「俺も死ぬ」の部分はまひろから同情を得ようと思って付け足したか。でも、まひろはそんじょそこらの貴族の姫ではなかった。殺人事件の被害者遺族なのであり、周明が脅しで使った「死」という言葉に猛反発、その勢いに気圧されて周明は退散した。

 周明の脅し文句なんて軽い軽い。彼女の幼少期からの苦悩の日々を考えたら、発想が軽すぎる。まひろが怯む訳がなかったね。

 母「ちやは」が殺されて以来の日々を想像するに、まひろには自責の念もあったから、悪夢にうなされたりフラッシュバックで身動きが取れない日もあったはず。どれだけ苦しかったか。その年月が、まひろを強くして一方ならぬ姫にしたのだと思う。遺族まひろを舐めちゃいけない。

 周明は、まひろにDV気質がバレるような「殺人未遂事件」を働いたのに、まひろのことを好いていたつもりらしい。彼も、現代でも頻発する「俺の言うことを聞かない女」を簡単に殺す殺人事件の被疑者によくあるように、何か誤解している。

 周明は、朱仁聡に「入り込めませんでした、あの女の心に」と作戦失敗を緊張気味に報告した。朱は「お前の心の中からは消え去ると良いな」と返した。ということは、まひろがまるで周明の「忘れえぬ人」だと朱は言っているみたいじゃないか。また、それを否定しない周明。

 周明は朱について「いい人」だとまひろに言っていた。「やってみろ」と周明にチャンスも与えた。朱なら暴力を使わずに人から信頼を得る方法を知っていそうだけど・・・朱も朱だからなあ。

 朱は「日本との公の交易が認められないならば、我々は帰らない」「我々が帰らなければ、二度と博多の津に船は着かない」と、為時パパを、というか日本を「公の交易が叶わなければ宋の品が入ってこないぞ」と脅している訳で、何の悪びれるところもない。

 この手法は、互いの都合を考えて落としどころを探るものではない。自分の目的を貫き通すためには相手を蔑ろにしても構わないと考え、暴力も辞さないDVタイプだという点で、周明と同じだ。

 周明も朱仁聡も、困った宋人チームだ。

 暴力と愛情や信頼は両立しない。今回は、まひろを挟み、周明と宣孝の2人の対比が鮮やかだった。

純情乙丸の忘れえぬ人

 撃退したとはいえ、殺されそうになったのだ。まひろが夕餉を食べられなくなってもまるで不思議ではない。むしろ、もっとガタガタ震え、昔の母の殺人事件がフラッシュバックして精神に恐慌を来たしたとしても、全くおかしくない目に彼女は遭ったと思う。利用されたことで、人間不信にもなる。自信も喪失する。

 まひろが精神的に荒れ狂わず済んでいるのは、曲がりなりにも殺されずに周明を自力で撃退できたからかもしれない。

 加害者は「ちょっと脅しただけ」のつもりでも、被害者は加害者の心の内まで知る由もないから、そんな「ちょっと脅されているだけ」とは思えない。多くは「殺されるかもしれない」と深刻に思い、恐怖に震えると聞く。まひろは強すぎるぐらいだろう。

 まひろが夕食を食べないのを心配して、乙丸が来た。今回、私が一番キュンと来た場面だった。

乙丸:(御簾の外、庭に控えて)姫様。姫様が夕餉を召しあがらないと下女が申しておりました。お加減でも悪いのですか?(まひろの返答がない)・・・すいません。お邪魔しました。(立ち去ろうとする)

まひろ:乙丸。(御簾内から縁に出る)お前は、なぜ妻を持たないの?

乙丸:えっ!

まひろ:そんなに大きな声を出さなくても。

乙丸:な、何故そのようなことを。

まひろ:ただ聞いてみたかったの。もういいわ。(半ば身を翻す)

乙丸:妻を持とうにもこの身、一つしかありませんし・・・あの時、私は何もできませんでしたので。

まひろ:あの時?

乙丸:北の方様が・・・お亡くなりになった時、私は何も・・・(まひろ、目を見開き聞く)せめて、姫様だけはお守りしようと誓いました。それだけで日々、精一杯でございます。

まひろ:そう・・・乙丸はそんなことを考えていたのね。

乙丸:はい。・・・あっ、余計なことを申しました。

まひろ:ううん。こんなにずっと近くにいるのに、分からない事ばかり。私は、まだ何も分かっていないのやも・・・。

乙丸:周明様と、何かおありになったのですか?

まひろ:ううん・・・あの人も、精一杯なのだわ

 乙丸は、ずっとちやはのことを・・・ちやはが乙丸の「忘れえぬ人」だった。だから、非力で簡単に弾かれようとも、「姫様に何をするー」と立ち向かっていたんだね、乙丸😢😢😢百舌彦との徒競走のような走りでも、息一つ乱さずに姫様を追ってきたもんねえ。従者としての心構えの違いを見せたよね。

 そして、そんな乙丸の心の内を全く理解していなかった、まひろ。

 まひろ役の吉高由里子は、公式サイトのインタビューで「利用されたショック」「愚かな自分」「とらえ方の成長」というキーワードを挙げていた。

 殺されかけたばかりだというのに、乙丸のアシストがあったとはいえ、時間をあまり置かずに「私は、まだ何も分かっていないのやも」「あの人も精一杯なのだわ」と頭の中を整理でき、加害者をも慮って気づけるまひろは素晴らし過ぎる。被害者がそこまでしなくても。

 さすが紫式部、常人には難しい目覚ましい成長ぶりとでも言いたいところだが、宋に対する夢も破れ、ある意味自信を喪失して、徐々に宣孝の術中のハマってきているとも言える。

 「道長様に私はどう見えていたんだろう」と、ひとり月を見上げるシーンがあった。宣孝に言われた「自分が思っている自分だけが、自分ではない」が心に残っていたからだね。

さわの訃報に涙のまひろ

 そんな自信喪失気味のまひろを、一気に気弱にさせる報せが来た。遠く離れていた友人さわの訃報だ。脚本が容赦ないなあ。どんどんまひろを気弱にさせる。

 まあ、そうでもしないと「若いまひろが、父親世代のイケオジ宣孝との結婚を受け入れるなんてキモイ、あり得ない」と考える私のような視聴者が納得しないからだよね、前回書いたみたいに。

為時:お前にだ(文を差し出す)

まひろ:(受け取り、開封。息を飲む)はっ・・・。

為時:いかがいたした?

まひろ:さわさんが・・・亡くなられたそうでございます。(文に添えられた紙を開く。か弱い文字で書かれた歌)

さわの声:「ゆきめぐり あふをまつらの かがみには たれをかけつつ いのるとかしる」

為時:お前にまた会いたいと思いながら亡くなったのだな・・・。

まひろ:この歌を大切にします。

 さわが死んでしまい、それがとどめ。大ショックなまひろが、ここから自分の考えを自分にも言い聞かせるように為時パパ相手に吐露し始めるのだが、「もっと自分を大事にして」とか「それは気の迷いなんじゃ」とも言い難い。

 人生はつらいもの、空しくなったらそんな風にも考えるだろう。後ろ向きな決断かもしれないけれど、結婚といえば、とりあえずは前向きなもの。相手はあれだけ豪放磊落な明るい宣孝だもの、その明るさに縋って自分の助けとしたいと思うのは、まあ、悪いことじゃないと思いたい。

まひろ:都に戻って、宣孝様の妻になろうかと思います。

為時:うん・・・ん?い、今、何と申した?

まひろ:さわさんのことを知って、ますます生きているのも空しい気分で・・・。

為時:うん。空しい心持はよう分かるが、それで何故、宣孝殿の妻になるのだ?

まひろ:先日、宣孝様が妻になれと仰せになりました。

為時:なんと!・・・うう。

まひろ:どうなさいました?

為時:ああ、腰が。

まひろ:父上!

為時:(別室で横になり、まひろに腰を揉ませている)宣孝殿はわしの大事な友だが、いくら何でもお前とは釣り合わぬ。何を錯乱したのであろうか。

まひろ:私も驚きました。

為時:都に帰って婿を取るならそれも良い。わしも国守となったゆえ、以前よりは良い婿も来るやもしれぬ。されど宣孝殿は・・・。

まひろ:父上が不承知なら、やめておきます。

為時:いやいや。不承知とまでは言うておらぬが、あいつは年寄りながらいまだに女にマメゆえ、お前がつらい思いをするやもしれぬぞ。

まひろ:されど、私ももうよい年ですし・・・。

為時:まあ、それはそうであるが・・・。

まひろ:宣孝様は仰せになったのです。ありのままのお前を丸ごと引き受ける。それができるのはわしだけだ。(腰を強く揉まれて為時の顔がゆがむ)さすればお前も楽になろうと。

為時:うまいことを言いおって。

まひろ:そのお言葉が、少しばかり胸に沁みました。思えば・・・道長様とは向かい合い過ぎて求めあい過ぎて、苦しゅうございました。愛おしすぎると嫉妬もしてしまいます。されど、宣孝様だと恐らくそれは無く、楽に暮らせるかと・・・。

為時:幼い頃から知っておるからな、あいつは。

まひろ:誰かの妻になることを、大真面目に考えない方が良いのではとこの頃思うのです。

為時:え?

まひろ:子どもも産んでみとうございますし・・・(また腰を揉み始める)

為時:イタタタタタタ!

 まひろが「誰かの妻になることを大真面目に考える」キャラだということは、視聴者はよくわかっている。嫡妻だ、妾だとこだわり石橋を叩き過ぎて、道長との仲を自分で壊してしまった過去があるからね。それが、とうとう「誰かの妻になることを、大真面目に考えない方が良い」と思うまでに至ったのだ。

 ん~、大人になったというか、年も年だし打算しなければならない立場だと客観的に自分を見て天秤にかけている彼女が可哀そうすぎるというか・・・。

 だったら宣孝じゃなくて道長の妾になっちゃえよ、と思うが、それは互いに求めあい過ぎてつらかったとか、嫉妬しちゃうとか・・・道長とのデメリットを考えすぎだろうが。自信喪失しているから、道長と向き合う自信も消え失せちゃったのかな。

 宣孝なら楽、愛だの恋だのじゃなく安寧に暮らせればいいってことなんだな・・・そんなことで主人公の結婚が決まるなんて。

 夢もへったくれもなく、現実を見ろと。こんな結婚じゃ、後々我に返った時に、まひろの気持ちにはおさまりがつかないだろうなあ。それが物語の今後の種になっていきそうだ。

(ほぼ敬称略)