黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

(3)DVの果ての生き地獄--軽く見られた妻の証言

おまけ。(2)の続きを書く予定はなかったが、判決後の報道があったので掲載する。
 
*息子殺害のクロアチア人の男に懲役12年 東京地裁
(2011/08/02 17:28) ANNニュース
 自宅で1歳の長男を殺害した罪などに問われたクロアチア人の男の裁判で、東京地裁は、懲役12年の判決を言い渡しました。
 ビオンディッチ・ダビッド被告(27)は去年11月、東京・江東区の自宅マンションで、妻に暴行を加えたうえ、目の前で長男の西田愛瑠ちゃんの鼻と口を手でふさぎ、窒息死させた罪で起訴されました。2日の判決で、東京地裁は「妻が不倫を認めた発言を発端として犯行に及んだ」と指摘しました。そのうえで、「言葉でも力でも抵抗することができない1歳5カ月の乳児を一方的に鼻口部をふさぐという方法で殺害し、責任は極めて重い」として、ビオンディッチ被告に対し、懲役12年を言い渡しました。
 
・・・この報道に接した視聴者はどう思うでしょうね。「妻が不倫を認めた発言」って、そうなのか~奥さん不倫してたのね、じゃあしょうがないよねとなるんでしょうか。妻にとってはさらなる屈辱。息子の名前も出ているので妻の名は簡単に特定されてしまう。
 
この件に関しては、「妻は真実でないことまで、認めざるを得なかった」部分が抜けている。被告人は、疲れて帰宅した妻が否定しても否定しても問いただし続け(確か3時間ぐらい)、眠りたかったからとうとう妻は認めたのであって…いわば拷問の末に認めてしまっただけ。そこは、この報道では視聴者には伝わらない。
 
まあ、報道だけでなく、裁判所も「なんだかんだ言っても認めちゃったのが悪い」と妻に対して冷たく思っているようなところがあるように、判決からは感じるのだが・・・。
 
クロアチア人 懲役12年判決 長男殺害、妻重傷
(2011/08/03) 読売新聞都民版「裁判員法廷から」
 江東区で昨年11月、離婚を巡るトラブルから妻に重傷を負わせ、長男(当時1歳)を殺害したとして殺人と傷害の罪に問われたクロアチア国籍で無職ダビッド・ビオンディッチ被告(27)の裁判員裁判の判決が2日、東京地裁であった。合田悦三裁判長は、懲役12年(求刑・懲役17年)を言い渡した。
 審理は被告の母国語でなく、英語の通訳がついて進められたが、補充裁判員を務めた40歳代の男性は、閉廷後の記者会見で「殺意の有無という被告の犯行時の心理が争点になっており、表現の精度などを考えれば母国語の通訳を用意すべきだったと思う」と話した。
 
・・・記者は傍聴してこの記事を書いたのか疑問。関心はそこなんですか?
 
妻の証言によると被告人は「日本人は英語が下手過ぎる」と考えているのであって、英語については全然問題ないらしいのだけど。他の言語もあやつれるのだし・・・日本語もがんばれば良かったのに、と思うと同時に、なぜ学ぶ気がほとんどなかったのだろうかと勘繰りたくなる。
 
英語の通訳はとてもクリアで、細部に亘る機微までを訳していてさすがと感心させられたし、被告人の英語も同様。さらに、被告人は通訳を待たずに日本語だけを聞いて英語で答え始め、裁判長に制止されるぐらいで、法廷で英語通訳だけだったことによる言語的な問題があるようには少しも感じられなかった。
 
英語の下手な日本人感覚でわざわざ記事にするようなことをすると、笑われるのでは?
 
尚、こちらの記事は被害者が匿名になっている。生き残っている妻への無用な二次被害を避ける意味では良い判断なのではないか。とはいえ、被告人名で以前の記事を検索したらすぐ出てきてしまうけれども。