黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

トロフィーとしての彼女

 本当に久しぶりだ。書き方を忘れてしまいそう・・・な訳はないが、とにかく頭にきたので書くことにする。三鷹の女子高生殺害事件だが、被害者が見られたくなかっただろう写真や動画が、加害者の手によって、大々的にネットでばらまかれたのだそうだ。
 
 しかも、加害者は、犯罪を実行してから身柄を確保されるまでの間にも、URLをご丁寧にどこかに張り付けて「無差別ではありません、恨みがありました」なんて書き込んでいるという・・・本当に狂っている。
 
 これを、「リベンジポルノ」というのだそうだ。腹いせに、ネットに写真を拡散させる。
 
 アメリカでは、別れた相手の写真をアップできて、金銭を支払わないと削除してもらえない・・・というサイトが問題になったそうだ。被害者の弱みに付け込むビジネスを思いついて実行していた人(いや、悪魔か)がいることには驚くしかないが、反対に、そういったリベンジポルノをやめさせようというサイトも、ちょっとサーチしたらすぐにみつかった。違法にする州も出てきているそうだ。
 
 三鷹の加害者は、「別れたつもりはない」と母親に言っていたそうだが、これが、愛情ある恋人相手にすることか、よく考えてもらいたい。愛とは相手を尊重することだ。しかし、リベンジポルノを含め、彼の行為には彼女に対する尊重などかけらもない。彼女の生物としての生命を奪っただけでなく、社会的名誉まで叩き潰している。
 
 彼は、彼女を支配したかっただけなんじゃないだろうか。愛情ではなくて、支配欲だ。女優として活躍する、美しい彼女。有名人も親族にいるような、大切に育てられたお嬢さんだ。そんな彼女との交際は「彼の自慢だった」と彼の母親は言っていた。光り輝く彼女を手にしていることで、自分の自尊心が満足させられていた、それだけだ。
 
 それは愛情なんかじゃない。彼女は、いわゆる「彼の自慢のトロフィー」だった。だから、自分の手から離れることが許せなかったのだろう。トロフィーに自分なりの意思があるなんて、想定外だということか。自分のものにならないのなら、叩き壊すだけ、か。
 
 ものじゃないのに、人間なのに。
 
 さらに頭に来ることに、今回の事件で、ばらまかれた被害者の写真を見て、被害者について「自業自得だ」とツイートしたプロ野球選手がいるそうだ。球団社長が謝罪する騒ぎになっているそうだが、この選手は「やらされた」被害者のつらさを全然わかっていないんだな・・・と思った。
 
 遠距離恋愛で、彼の気持ちを何とかつなぎとめたい・・・と送った写真なんじゃないかと思う。報道によると、彼は「送らないと死ぬ」などと彼女に伝えていたこともあったようだ。
 
 それで、まだ判断力に乏しい若い女の子が写真を送信してしまったことについて、その選手はよくもそんなに冷たいことが言えたものだ。彼を思っての行動をしたら、殺されてもいいとでも?悪いのは、秘密だよ・・・と震える気持ちで送ったかもしれない彼女の気持ちを裏切り、無情にも写真をばらまいた彼の方じゃないか。そんな簡単なことも分からないのだろうか。
 
 こういう人がいるから、リベンジポルノが復讐として成立し、無くならないのかもしれないね。
 
 今回の事件で、被害者と同じように彼氏に写真を送ってしまって、悩んでいる彼女がいると思う。どうか、一人で悩まないで、信頼できる大人に相談してほしい。理想的には親だが、学校の担任の先生とか、保健室の先生とか、部活の顧問の先生とか、スクールカウンセラーとか、誰か、ちゃんと話を聞いてくれそうな、できれば大人の女の人に話してみてほしい。
 
 それで、「写真を削除してほしい」とその人を交えて、彼氏に言ってみてほしい。それで彼女自身の気持ちを尊重して、ちゃんと削除してくれる彼氏なら信頼してもいいかもしれないけれど、何だかんだ言って削除してくれない場合は、あなたが愛されているのか、それとも単なる彼のトロフィーなのかがそこで見分けられるような気がする。これを機に、大人の助けを借りて、しっかり別れるのをお勧めしたい。
 
 そして・・・ストーカー化したら、所轄署ではなくて、警視庁や県警本部に設置されているストーカー対策室や、弁護士会の相談窓口に相談することをお勧めする。