黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました。大河ドラマが好き。

扁平上皮癌になった愛猫を、天にお返しした②

息子を清潔に保つには

 息子のために買っていた猫ごはんはもちろんのこと、消毒液やらペットシーツ等々の広告。それが、パソコンを開くと画面に表示されますよね… 息子が生存中は、そういった広告から必要な品を見つけたこともあったし便利だと思ったこともあったが、現金なもので、天にお返ししてからは「まだこんなものを私に買えと言うのか」と、グサッと来ることもあった。

 不意打ちなんか喰らうと、特に涙もろいおばさんはどっと涙が出た。

 もう最近は表示頻度は落ちた気がする。たまに、どーんとお得なペットシーツが表示されることもあるけれど。どうやって判断しているんだろうなあ。ぱたりと買わなくなったことで、必要ないと判断したんだろうね、どこかの時点で。

 周囲には急ぎすぎてるようにも見えたらしいが、息子が亡くなってから、まだ使える物は爪切りから何から、猫を飼っている家族や友人に譲り倒した。息子グッズを見てしまうと、その主の不在がどうしても浮かび上がってくる。それが汚いまま朽ちていくのは、尚更たまらない。だから、使ってもらえる品物はできるだけ綺麗なうちにと、お譲りしたのだった。

 さて、息子が退院してから良く買ったと言えば、ペット用のウェットティッシュ。これが無いと夜も日も明けない。首横に穴なんか開けている息子の清潔は、お風呂にも入れられないし、せっせと拭いておかないと保てないので、行きつけのペットのコジマで大量に買うようになった。

 食道に直接通じる首の穴周りや、手術をした口周りには、獣医さんから出してもらっていた「マスキン水」「中性水」などを使ってガーゼで拭いていたと思うが、市販でも使える物があった。ちゃんとペット用で、銀イオンが配合されていたっけ… 消臭もできて口内にも使えるので、通販で手に入れ、手術した息子の口の中や、後には腫瘍が膨れて外に出てきてしまった際にも、恐る恐る使った。

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 新型コロナが流行って、世の中の消毒液が争奪戦になってしまった時に、こういったペット用の消毒液は大丈夫だろうか、必要な飼い主の手元にちゃんと届いているのだろうか…と心配だった。例えば獣医さんに設置されてある動物用の人工呼吸器までも、人間用に振り向けられるかもとの報道を見た。だから、人間用にも足りない足りないと言われていた消毒液は、動物用にちゃんと製造販売されていただろうか。

 息子は2月4日に逝った。もし1年遅れての闘病生活だったらコロナ禍のせいで手に入らないものも多かったかもしれない。一時入手しにくくなったトイレットペーパーも、息子の口周りを拭くためにティッシュペーパーが鬼のように必要だったので、1月ごろにはまとめて買ってあった。そう考えると、親孝行というか何というか… 息子がわかっていたはずはないのだが。

 息子が手術後に退院してしばらくは、首脇に開けた穴から流動食を与える方法が機能していたから、穴からの感染症が心配で息子の清潔を保つにはかなり気を遣ったつもりだった。しかし、穴を塞いで口からの食事に戻ってからは、別の意味でさらに清潔を保つのが大変な日々が待っていた。

 息子だけでなく、家全体が大変なことになり、いい方法を考えなければ息子の介護を続ける上でマズい状態だった。でも、それが息子には迷惑だったろうな…。

 つづく。