黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました

「カムカム」ひなたは算太に似てる

第3代ヒロイン「ひなた編」はコメディ?

 なんだかんだ時計代わりに朝ドラを見ている人もいるように、私も「あさイチ」待ちで相変わらずフォローしている。とうとう「カムカムエヴリバディ」も第3代ヒロインの「ひなた」が先週の第15週で子役から大人になり、川栄李奈が登場した。

 いつだったか「カムカム」はコメディだと紹介されている文章を見て、「安子編」は戦時中にありがちな悲劇が続き、「るい編」もヒロインがシャレにならないほどの額のザックリ向こう傷を周囲にピリピリ感丸出しで深刻に恥じていたから「いったいどこがコメディ?」と訝しく思っていた。

 だから、むしろ次はどんな悲劇が襲ってくるかと身構えていたのだが、「ひなた編」になってようやく日常の「しょーもない」ことをヒロインが悩むコメディらしい話になってくれたみたいだ。

 安子、るい、と手先が器用な親子だったのに、ひなたは「ジョーに似た」という設定なのだろうけれど(桃太郎はお母ちゃんに似て良かったとジョーが言っていたから)、できない癖に細部を適当に無視してしまって失敗するちゃらんぽらんさが、ジョーというよりも算太の匂いがする。

 ひなたは、そうか大伯父さんに似たのか・・・ひなたの焼いた回転焼きは、算太の作ったぐちゃぐちゃの和菓子を思い出させた。濱田岳演じる算太とひなたが揃ったら、カオスかもしれないけど面白そう。算太は安子と「るい」親子の絆の修復につながる事情も知っているわけだし。

 ひなたは「ちりとてちん」のB子とも似ている。そうなると、待てよ・・・コメディかもしれないけれど、また少し身構える必要があるのかも。

 脚本の藤本有紀が描く女の子は自分に自信のないイメージが強い。そして、相手役は大抵がモラハラ系男子だから困る。自己肯定感が低い女子がつかまりやすいダメンズ。世の中的に要注意人物なのだから、あまり美化して描いてほしくないところだ。

 さっそく本郷奏多が、モラハラ男っぽく登場してきた。嫌だ嫌だ。ジョーが自分の機嫌は自分で取るのが大人だと教え、改心させてほしい。

たった7日間で終わった英語ラジオ講座

 子役の新津ちせ演じた「ちびひなた」は、今週で役目を終えた。彼女なりに悩み多い小学生時代を元気に過ごし、視聴者をほっこりさせてくれた。

 1975年当時、ビリーという英語を話す少年に出会い、初恋に落ちて頑張りたかったラジオ英語講座だったはずなのに、ひなたは簡単に日常の誘惑に負けて早1週間で止めてしまった。

 そして不甲斐なさから親に八つ当たりすることになったが、肝心の英語講座がたった7日で物語から退場とは悲しい。何とか続けてもらいたかった。

 あの後、ひなたが英語の勉強を続けていた、という可能性はあるだろうか?・・・飽き症だから、と呆れつつも叱って続けさせるような両親ではないから、そのままになってしまったか。

 飽き症の子どもを持つ親の悩みどころかもしれない。多少プレッシャーを与えても将来のためになることは粘り強く説得するとか環境づくりをして続けさせる方に持っていくべきか、子どもの自主性に任せて結局何も身に付かない人生を歩ませるべきか。

 ともかく、ひなたの友達の小夜子なら、英語の勉強を続けてビリーと高校生になった今も文通を続けている可能性ならあるかもしれない。さらに英語ペラペラになった小夜子が、将来またビリーを連れて回転焼き屋に再訪するのだ。そして、またひなたが自分にガッカリする話ならありそうだ。

 その時に、ビリーの正体が分かって、実は安子とのつながりも・・・となっていったら面白そうだが。さて、どうなるんだろう。

 私的には、壮年期の安子が登場するなら、演じるのは顔立ちから宮崎美子が上白石萌音に似通っていていいとどこかで書いた気がするが・・・またここで宮崎美子を推しておこう。

 渡米した安子と、「るい」もしくは「ひなた」とのつながりは今後の物語の結末に向かって描かれるべき肝。モヤモヤ抜きの納得できる結末を期待したい。

るい編最後は、親子の和解

 ちびひなたのラストになった、家を飛び出して河原に行くシーン。「どうして自分はこうなのか」と泣くひなたを「今は真っ暗闇に思えても、いつかひなたの道が輝く日が来る」と、追いかけてきたお母ちゃん「るい」が慰めた。美しいシーンだった。

 「るい」は、子どもの頃の自分を追いかけてこず、渡米してしまったお母ちゃん・安子を反面教師にしたかのようだった。安子編ラストの悲惨な親子別れの場面との対比になっているのか。

 額の傷を見せつけて「I hate you」と安子に言い放って扉を閉めた「るい」。そのやり口は安子の自責の念を大いに刺激し、望み通り安子を追い払うことに成功した。「るい」は、自分が捨てたのに「自分は母に捨てられた」との誤解は解けないままだ。

 その結果、安子は渡米し、「るい」は暗黒の岡山時代を過ごすことになった。ジョーと出会い「拒絶しても何にもならない。自分から寄り添い、話を聞くことでしか人との理解は深まらない」と悟ったのかもしれない。

 もちろん、娘から嫌いと言われたからと言って、簡単に親子関係を諦めたりするものか!とママたちからSNSで上がったブーイングも全くその通りで、母親の安子側に大きな非があると思うが。

 ひなたを追いかけた「るい」。話をじっくり聞いたのも、自分が安子にやってほしかったことなんだろう。

 「るい」が母としてひなたの話を聞いているシーンだったのだけれど、「るい」側の安子恋しの場面にも見えた。

視聴者の突っ込みにも拍車がかかる?

 さて、川栄李奈が出てきて以来、コメディに拍車がかかったようだ。ジョーのあのメガネといいヘアスタイルはジョンレノンの真似なんだろうけれど、桃太郎と揃っての前かけ姿は見ただけで吹き出してしまった。「おしん」パロディーも良かった。

 第15週で描かれていたのが1976~1983となっていたので、実体験を重ね合わせて見ている視聴者が多くなって、ネットでは時代考証を買って出るかのような突っ込みも多く見る。

 私もその1人か。ちびひなたが踊るキャンディーズの歌の振りが気になったり、「母をたずねて三千里」は(今でも歌える)口ずさんでみたり、公園で子どもたちが遊ぶホッピングに目を奪われてみたり。もちろん「ガラスの仮面」は楽しみに読んでいた(まだ連載が終わっていないのか?びっくり)。

 以前のブログで「昔はおばさんが穿くものじゃなかった」と指摘したジーンズについては、また1983年4月4日の新ヒロインひなた登場シーンで「るい」が穿いていた。1944年9月14日生まれの「るい」は、この日38歳か・・・。

 (それにしても、4月4日はひなたの誕生日だというのに、みんな「おしん」に夢中で家族の誰も誕生日には触れなかった。何か意味が?と思ったら何もなく・・・なぜ?)

 「1970年代半ばまだジーンズは若者が穿くもので、特別感があった。その意識が薄れておばさん世代が普段着に穿くようになるまでには、もう少し時間がかかったはず」・・・そんな風に前回書いたのだったが、そのジーンズに触れた記事があった。

asageimuse.com

ここで視聴者の関心を集めているのが大月家のファッションだ。ひなたは昭和50年代の小学生女子にとって定番だった吊りスカートを着用。父親で元トランぺッターの錠一郎はサイケデリックなデザインのシャツに身をまとい、当時の流行だったヒッピー風の出で立ちとなっていた。

「そして注目すべきは母親るいのファッション。それまでは清楚なスカートかワンピースばかりをまとっていた彼女が、この日は冒頭からジーンズを履いていたのです。実は前回の第63話でもよく見るとジーンズを履いていたのですが、座っていたり夜のシーンだったりと服装が分かりづらかったことから、第64話を迎えて《ジーンズはいてる!》《これが1975年ということか》といった声が視聴者からあがっていました」(テレビ誌ライター)

当時はジーンズの国産化が進み、価格も下がったことで、幅広い層にジーンズが普及していった時代。作中のるいはまだ30歳の若さで、夫・錠一郎の影響もあって若者の流行りに乗っかっても不思議のない年ごろだ。

 「昭和50年代の小学生女子にとって定番だった吊りスカート」って・・・定番ではない、吊りスカートなんて学齢前までだった。地域差はあるだろうが、やはり「ちびまる子ちゃん」に引っ張られているのだろうか。

 それまで清楚なスカートかワンピだった「るい」が穿くものは(「履く」じゃない)、夫ジョーの影響で劇的に変化しちゃったと説明できるとしても、でも「これが1975年ということか」じゃないと思う・・・決して一般化できない。

 「若者の流行りに乗っかっても不思議のない年ごろ」とこの記事は書く。そう、明らかに若者の流行り物だったのがジーンズ。でも、当時の30歳は今で言ったら45歳くらいを見ている感覚があったから、若者の真似はイタ過ぎる。今の感覚とは違うのだ。

 おとなしげな市井のおばちゃんが、いきなり若者の真似なんかしたら顰蹙ものだ。

 ドラマを作っている人たちはイケてる人が多くて「1975年にもジーンズなんか穿いてたわよ」と豪語するかもしれないが、現在80前後の普通のおばちゃんを想像してみて、世代が違うって!と1985年前後にジーンズ屋でバイトをしていた私は言いたい。

 さて、この記事が指摘する別の見方が、ジーンズが示唆するのは「るい」の出身地岡山とのつながりとの点。「雉真繊維」を営む雉真家の出だからそういう意味もあるのだろうと・・・それは確かに不思議ではない。

 なぜ70年代と早々に「るい」にジーンズを穿かせ始めたのか。ドラマで説明されることはなさそうな気もするが、岡山を意識しているのかもしれない。

 彼女が岡山に帰ることはあるのだろうか。それは、安子との和解が成って初めてできる事のような気がする。

(敬称略)