「日本の国の安全保障にとって大きな曲がり角」との野党からの声がある中、安部総理は「国民の命を守り、幸せな暮らしを守るために必要な法案」との信念があるそうだ。
寄らば大樹の陰・・・アメリカの傘下にいれば攻撃されない。抬頭する隣国の軍事力に対抗するために、怖くて不安、だから大樹にさらに寄っていってグループのパシリになっても国を守ってもらおうとする道を安部さんは選んだわけだ。代償は、メンバーに加わった以上は日本人も手を汚します、という可能性を秘めていて・・・明らかに、平和国家・日本からは遠ざかる道だと思う。
戦争はしたくないよね。誰だってイヤ・・・おっと、そうでもない人たちもいるのだった。でも、私は嫌だ。南方の戦地に行かされた、亡き祖父に聞いた現地での話は忘れない。
戦争は殺し合いだ。そして遥か昔に大学で史学を専攻した時の現代世界史の講義を思い出しながら書くと、近頃の戦争は残念ながら大抵「自衛」の意識を言い訳に始まる。客観的に見たら侵略戦争であったとしても、本人たちは自国の権益を守るためにとか、ナントカカントカ言いながら、「自国を守るためには他に道がなかった」と言うのだ。過去の帝国日本のように。
ところで、そんな事態が現実化しないためにあるはずの日本の平和憲法なんですが・・・これまでも不満だったのだが、こんなでたらめな集団的自衛権の憲法解釈を現政権に許したのは、そもそも「護憲」にこだわるあまり自衛隊の役割をきちんと憲法の中に規定しようとしてこなかった野党のせいでもあると私は思う。
2015年の軍事力の世界ランキングをちょっとネットで見てみた(http://www.globalfirepower.com/countries-listing.asp)。日本は、126か国の中で9位にランキングされている。トップテン内だ。強大な軍事力を持つ軍事大国だと海外からは見られている。非武装の国とはとても言えない。
しかし、憲法9条を読むとこうある。わざわざ引用するまでもないが、書いてみると「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と1項は言っている。そして2項は「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」となっている。
戦力を保持しないはずの国が、世界9位の軍事大国?
戦後、日本の政府が自衛隊の存在を正当化するために色々と解釈を練り上げてきたのはちょっと横に置いておいて、フツーの読解力で素直に読んでみたとき、自衛隊をどうこの9条に関連付けたらいいのか一瞬でも困りませんか?
私は、この点に無知なままアメリカに留学し、いざクラスメートの前で説明を求められて、本当に困って絶句した。いや、だって戦力持たないって2項で言ってるし・・・(-_-;) でも、海外から見れば、前述したように日本は、押しも押されもせぬ軍事大国なのだ。
そうすると、日本は法治国家じゃないんだね!という理解に落ち着いてしまうのだ。法の支配がない国、憲法に書いてある通りになってないのにそれを正すこともできないんだ、日本はそんな途上国なんだね・・気にしないで、あなたのせいじゃないから、といった言われようだったが、英語力も乏しく、私は反論できなかった。
アメリカ人だけでなく、留学生もたくさんいたが、外国人の学生から見ると日本は胡散臭い、よく分からない国に見えたのは確かだ。いくら「平和憲法を持っています」と私が言っても、9条2項に反する(ように見える)軍事力は持っている。「じゃあ、戦争放棄の1項だってどうでもいいんだよね」と、法の歯止めが効かない国と見られ、「この9条で日本は、かえってアジアで不安を掻き立てる存在になってるよね」と言われてしまった。
憲法9条を変えようと言うと、すぐ右翼に見られてしまうので非常に言いにくい。でも、こんな誤解をされないよう、戦争をしない方向にきっちり変えればいいのではないか。