黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました

「黄金の日日」やっぱりベスト五右衛門は根津甚八

懐かしの大河ドラマ再放送

 日曜日の早朝にリバイバル放送されているNHK大河ドラマ「黄金の日日」を見ている。と言っても、リアルタイムでは寝坊助の私には無理なので、録画したものを遅れて見る。

 今日になって先の日曜日に放送された第46回「五右衛門刑死」を見たが、44年前の1978年の放送当時にも見た記憶の通り、根津甚八が演じる石川五右衛門は最高に格好良かった。

 さすがに細かいことは忘れていたが、皆の方を向いてニヤリと笑った五右衛門が、煮えたぎる鍋の中に後ろ向きのまま自ら落下、釜茹での刑に処せられたシーン。これは私の記憶にしっかり刻まれていた。

 忘れていたのは、その刑死の瞬間に助左衛門が打ち鳴らす教会の鐘が鳴り響いていたこと。鐘が鳴るとモニカの亡霊が出てくると言っていたから、モニカが迎えにくると考える中で死に逝く五右衛門。うーん、感動的。

 後ろに目が付いているわけではないから、下手に倒れ込むと後頭部を大鍋の縁に思い切りぶつけてしまうことになり、このシーンの撮影は相当危険だったはず。演じるに当たっての裏話を、どこかで根津甚八本人がインタビューで語るのを見た覚えがあるが、やはり大変だったらしい。

 「黄金の日日」については、脚本家の三谷幸喜がそうだったように、私も子どもの頃に毎週欠かさず見ていたものの、主人公の助左衛門のキャラがどうも苦手だった。「実直」と評されて今井宗久に可愛がられた奉公人の助左だった頃から、何だろう・・・あまりにも融通の利かないド真面目さ。どんくさいくらいのキャラなのだ。主人公なのに。雷が怖いと言って大げさに震えるし。

 (不器用にもほどがある、わざとらしくてイライラする)と思って当時も見ていたが、今回、改めて見てきた1年で、同じ感想を抱いてしまった。助左・・・。

 どちらかというと助左衛門その人よりも、今井家の奉公仲間という設定だった五右衛門と川谷拓三が演じる杉谷善住坊や、今井家の屈折した親子家族関係(演じるのは丹波哲郎、林隆三、栗原小巻、竹下景子、名取裕子、江藤潤)、相変わらずの冷たい目をした高橋幸二の信長、好人物から空恐ろしいギラギラ関白へと変貌していく緒形拳の秀吉、配下で悩む近藤正臣の石田三成など、周りの人物描写の方が面白く、楽しい。

 女性陣で印象深いのは、李麗仙演じる堺の堀に浮かべた舟に住むお仙。助左、善住坊、五右衛門の3人組の癒しのバーのママのようだった。善住坊が鋸引きの刑で死ぬときに、止めを刺す戌年の女。それを以前に占ったのは彼女自身だった。

 その彼女が、今回の放送で、助左衛門からの南蛮酒を「末期の水」として五右衛門に飲ませることに成功し、彼の刑死も見届けたのだった。

 それから、五右衛門の想い人であったモニカの夏目雅子はきれいだったな。その彼女は五右衛門との逃亡後に病のせいで顔面も崩れ、死後は亡霊となって度々現れた。それが美しい。また、今井家御曹司を垂らし込んだ徳川の忍びの名取裕子は、今とは印象が違って彼女だったのかと認識し直した。

 「黄金の日日」の多くの愛すべきキャラの中でも五右衛門が私の中ではスターだったので、彼が死んでしまった今となっては、もう物語のクライマックスは終わってしまったような気までする。

 「あんなに真正面から斬り込まなくても、もうちょっと暗闇に身を隠しながら行くとか」と、最後の秀吉襲撃の派手な殺陣を見て家族も五右衛門の捕縛を惜しんでいたけれど、確かにもったいない。あと一部屋というところで捕まってしまって・・・秀吉は姿を見せもしない。ネズミは捕まえたと、増田長盛の報告に短く答える声が聞こえただけだった。

 とはいえ、石川五右衛門が釜茹でにされることは決まっているんだし、五右衛門配下の皆さんの見せ場にもなっていたわけだし。致し方なし。

 しかし、初め利己的に見えて実は義理堅く、花も実もある面白く造形された石川五右衛門だった。私の中では、根津五右衛門はベスト中のベスト。盗賊にふさわしい軽々とした身のこなし、抜け目のない性格。ニヒルな表情やセリフ回しは、演じているというよりも自然にそこにいるような。大仰な助左衛門と比べるから余計そう見えたのかもしれないが、彼が作り上げた以上の五右衛門は、その後どの作品の中にも見つけられなかった。

 子どもの頃にしっかり刷り込まれた結果かもしれない。

 「黄金の日日」で主要人物を演じた多くの俳優さんたちが既に亡くなっているが、根津甚八も既に鬼籍に入っていたのは寂しい限り。そうか・・・でも、今後も私の中では、ずっと五右衛門=根津甚八。それは動きそうもない。

 あと5回は放送が残っているらしいけれど、何を楽しみに見ようか。

秀吉の狂気をプーチンも

 豊臣秀吉は織田信長の横死によって権力者となったのだから、その地位にあったのは約15年と言ったところか。自分がしたように、いつか誰かに権力を簒奪されるのではないかと怯えて不安を募らせ、狂気に憑りつかれるまでになったのでは。

 今のプーチン露大統領が、「黄金の日日」に見る晩年の秀吉に重なる。

news.yahoo.co.jp

【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は4日、ドイツのショルツ首相との電話会談で、ロシアのウクライナ侵攻作戦の停戦協議を念頭に、「ウクライナ側との対話にはオープンだが、ロシアの要求がすべて満たされることが条件だ」と伝え、譲歩しない立場を強調した。

 要求はすべて満たせ、譲歩しないって・・・正真正銘のBさん、Bさんの見本のような人物だ。(Bさんについてはこちら➡五輪休戦無視のロシア、中国はいいの? - 黒猫の額:ペットロス日記 (hatenablog.com)

 秀吉は、病によって天が取り除いた。日本も当時の朝鮮半島も胸をなでおろすことになったけれど、秀吉の周囲は更にホッとしたのではないか。自分の行動を止められないプーチンは?いったい誰が止めるのだろう。 

(敬称略)