黒猫の額:ペットロス日記

息子は18歳7か月で虹の橋を渡りました

「ちむどんどん」ヒロインを霞ませるニーニーの大失敗

不甲斐ないにーにーに甘すぎる!!!

 今期のNHK朝ドラ「ちむどんどん」。やってくれました。主人公の高校生・比嘉暢子のにーにー、賢秀がやっぱりの為替詐欺に引っかかって、ただでさえ崖っぷちらしい主人公一家の経済を谷底のさらに奥底まで叩き落としそうな勢いだ。

 詐欺に気づいて八つ当たりで大暴れしたことで、賢秀自身も告訴されそうとのことで、刑事罰を受けるかどうかの瀬戸際に陥っているが、そうすると、長女・良子の教職も立場が危うくなるとかならないとか・・・。

 まあでも、告訴すると息巻いているのが片桐はいり演じる音楽教師。彼女は末っ子・歌子を歌わせようと追いかけまわしていたから、「歌えば許す」的な結末になりそうだ。そんなことで許されていいわけないけどね、にーにー!

 自業自得の賢秀が暴れて店を壊したことと、営業できなくなった分の民事的な補償の話を、バーガーショップのマスターは謝りに来た母・優子さんに告げたけれど、店側は器物損壊罪などで賢秀を刑事告訴しても全然おかしくない話。

 マスターには告訴させないのかな?賢秀には受けるべき罰はきちんと受けてもらいたい。ドラマといえど、いえ、NHKの誇る朝ドラだからこそ、被害者が正当に被害を訴えられないような話にはしてもらいたくない。

 どうやらマスターは訴えないし、片桐はいりの勤務先の学校は話を穏便に済ませようとしていて、片桐はいりさえ許せばOKみたいな流れになっているのはどうなんだろう?

 もし、ドタバタ劇だけで済ませるつもりだったら被害者を軽く見すぎだし、加害者・賢秀に甘すぎるのは母の優子さんじゃなくて番組制作者のNHKだ。

 まったく反省の見えない賢秀をかばおうとする母。いつだったか優子さん登場の人物説明的なセリフで大叔父さんに言われていたよね、甘すぎる、いつか何かに・・・って。これで伏線回収か。

暢子のモヤモヤが解消、こちらはずっとモヤモヤ

 先週のタイトルは「青春ナポリタン」だった。モヤモヤと悩みながら就職活動をする主人公の暢子の、将来の目標が定まるまでが描かれた。

 山原(やんばる)高校料理部の助っ人として参加した産業まつりの舞台で「東京に行って料理人になりたい!やりたいこと、たった今見つかりました!」と宣言した暢子。そうなのね、就職先関係者に認められたようだったけれど、彼女はきっとその会社に就職なんかせず、いきなり東京に行くつもりになってるんだろうね。

 母はにーにーの儲け話のお金を当てにしていたらしいし、揃いも揃って救いようがない。その目論見も崩れたわけだけれど。

 暢子に「将来に対するモヤモヤ解消おめでとう!」と手放しで喜んであげられない。もっと言えば、にーにーや一家の財政事情が心配過ぎて物語に全然入り込めない。

 子役時代から飛んだ期間は7年間?その間に一体何が起きたのだろう。賢秀に「コツコツ働いてもたかが知れてる」と言わせる一発大当たりでもあったのだろうか。サトウキビ畑を売却したとして、それで借金は解消したのか。「前からあった借金」も賢秀の儲け話で何とかしようとしていたらしいから、まだ借金は相当あるんだろう。(でも2000ドル以下?はて?)

 今週登場する大叔父さん、ぜひ比嘉家の借金の謎を詳細に語って視聴者にも教えてほしい。全体像が分からないと、不安になるだけで全然安心できないさー。

 父の死亡時に、幼い暢子を東京の親戚に預ける話が出るほど首が回らない状態だったはずの比嘉家。なぜ家も売らずに普通に暮らしているの?失礼ながら、おバカにーにー賢秀(なんて皮肉な名前だろう)が定職もなくフラフラしているのに。

 ネットでは、優子さんの売店勤めでびっくりするほどの高給を得ている(w)と書かれていたけれど、そんなはずはない。畑、売店、内職で働きづめなんだもんねえ・・・。

 姉妹の服はつぎはぎで、大事に着ざるを得ないらしいなと察することはできるけれど、家族みんな栄養状態が悪そうなこともない。娘たちの長い髪もキラキラ(ヘアケア代もかかりそう)。比嘉家の畑から供給されるお野菜と、智の店の島豆腐のお陰で健康なのだろうか。

 長女の良子が短大に行った学費はどうしたんだろう?成績優秀だったから奨学金?アルバイトしながら短大に通ったという彼女が、お給料を家に入れるようになるまでの比嘉家の経済は、本当に謎だ。暢子のモヤモヤは解消しても、こちらはモヤモヤする。

またヒロインの兄貴問題が勃発

 しかし、朝ドラ主人公の男きょうだいや男家族は、どうしてこう不必要なほどにダメダメに描かれるのか。

 「おちょやん」のトータス松本が演じたヒロインの父は朝ドラ史上ワーストだったかもしれないし、闇落ちした弟も、結局戦争も絡んで救いようがなかった。そして、前作「カムカムエヴリバディ」の初代ヒロイン兄は、ヒロインが貯めたまとまった金銭を持ち逃げすることでヒロインを絶望させ、渡米させるきっかけを作ったトラブルメーカー。そうそう、「スカーレット」の父も勘弁してほしかった。

 それと、沖縄を舞台に大ヒットした朝ドラ「ちゅらさん」の総集編がつい最近放送されていたけれど、ゴリ演じるヒロインのにーにーが、「ちむどんどん」賢秀と同じくフラフラしていて、ゴーヤーマンで一発当てようとして失敗し、借金と在庫を実家に押し付けて夜逃げしていた。

 やってることは賢秀とそっくり。あれ?「純と愛」のにーにーもこんな感じだった?沖縄のニーニーってこんなイメージでOKなのか?どうやらOKらしい。えええ⁈

 沖縄の長男がみんなこんなニーニーばかりだとしたら、それは沖縄の発展の足は確実に引っ張られ、いいわけないと思うけれど・・・ホントなの?半信半疑だ。

 しかし、ヒロインの家族に、人間的にひどいキャラばっかりよくも出してくるものだ。そうやって周囲のトラブルにもめげずに頑張るヒロイン像を描きやすくしているのも何だかなあと思う。わかりやすい悪役が欲しいらしい。

 そんな仕掛けをしなくたって、人生を一生懸命真面目に生きていくことが若い人にかなりしんどいご時世の今、沖縄の辛い現実をドラマに投影してしまうと、楽しく明るい朝ドラにはしにくいのだろうか。

賢秀、失敗を財産にできるのか

 さて、今作。母親がこんなに頼りなくて、兄がおバカで、妹たちはあまりよくわかってなくて、ひとり気を揉んで頑張っている長女の良子が今のところ一番気の毒だ。

 見ているこちらも実はゲンナリ、先週は怪しげな詐欺師に引っかかりそうな雰囲気が既にあったので、火曜日から脱落して見なかった。

 結局、流れを把握するために週末にまとめてNHK+で倍速で見たけれど、賢秀が出てくるとイライラするようになってしまった。

 NHKの夕方の番組に「私(たち)は騙されない」というコーナーがあり、今年から「私たち」に変わって続いている。私は、見るたびに「タイトル間違ってるよ」と突っ込んでいる。

 なぜなら、あの手この手のプロ相手に、素人の「私たちはみんな騙される」からだ。それで「私は騙されない」と信じている人ほど危ないし、そう思っていると被害に遭った時に自分を責めてしまってちゃんと警察などに相談できなくなると、被害者学の講義で聞いた。

 そして、詐欺被害者の末路は悲惨だ。誰かのために良かれと思って出したお金のせいで、一族親戚中から責められて、自信を失って命を絶つ人もいる。正直に生きてきただけなのにね。

 だから「私たちは騙されない」じゃないのだ。「みんな騙されるんですよ」と言っておかないと、被害者を後から追い詰めてしまうのだ。

 この番組では、振り込め詐欺などの防止啓発のために詐欺の手口を紹介したりしているが、この賢秀が引っ掛かったわかりやすい詐欺も、沖縄のニーニーたちにオバーたちが騙されないように啓発のためにドラマに組み込んだのだろうか。

 賢秀は、詐欺被害によって己の考え方を根本的に改めることができるのか?母・優子さんのセリフ「自分でやりたいことは失敗しても財産になる」の通り、失敗して何か糧を得ることができるのか。

 「カムカム」の兄・算太は、ヒロインたちの前から姿を消しても、ダンスという自身の夢を追いかけて実現させていただけ立派だった。賢秀は・・・?

 ああ、にーにーを考えるだけでイライラする。ヒロイン暢子が霞む。